今回は所感になります。
新型コロナウィルスで、クラウドファンディングにはどんな影響があるのか、私の考えを紹介します。
内容は事実に基づいていますが、多分に私の個人的見解が含まれますのでその点はご承知おき下さい。
<目次>
融資型(貸付型)クラウドファンディングへの影響
融資型(貸付型)クラウドファンディング(=ソーシャルレンディング)については、影響は明白です。
経済の停滞は、「借りたお金が返せない」という形で顕在化するでしょう。
幸いにも、全国的に発令された緊急事態宣言は2ヶ月ほどで解除となりましたが、本当に経済へのダメージが見えてくるのはこれからだと思います。
また、次の不動産投資型クラウドファンディングとも重なりますが、担保となっている不動産の価値が変動しているというリスクもあります。
特に競売にかけられた場合は、投資マインドの冷え込みから今までよりも低い値段で落札される可能性は高いのではないでしょうか。
実際、下記の案件はタイミングが本当に悪かった例です。
緊急事態宣言中に競売が行われた結果、元本の一部が損失を受けることになりました。投資に損はつきものとは言え、不運には違いありません。
このような状況下、今後重要になってくるのは月並みですが「貸付先の安定性」そして「仕組みの保全性」の二つだと思います。
例えば上場企業の全資産が返済原資となるFundsのような例は、比較的安全だと言えるのではないでしょうか。
不動産投資型クラウドファンディングへの影響
不動産投資型クラウドファンディングは、不動産へ投資している関係上、その価値の増減が投資の安定性に直結します。
そして、足下の状況では不動産の価値は下がると推測するのが自然でしょう。
実際、不動産投資家の9割は不動産価値が下がると見ている、という記事もありました。
特に今後、不動産の価値が変動する恐れがあるのは
・オフィス不動産 → リモートワーク普及によるスモールオフィス化
・ホテルや旅館 → インバウンド狙いは特に厳しい
であり、逆に一般的な賃貸案件や物流倉庫などは底堅い需要があるものと思います。
その中でも物流不動産に投資できるクラウドファンディングは貴重で、私が投資しているのは下記の「CRE Funding」。
東証一部企業が運営し保証まで付けていますので、安全性は高いと判断しています。
株式投資型クラウドファンディングへの影響
ベンチャーやスタートアップに投資する株式投資型クラウドファンディングも、もちろん影響を免れることはできません。
ただ私の感覚では、株式関連で影響を受けているのはベンチャーやスタートアップよりも、むしろIPO(新規上場)寸前の会社の方が影響は大きいのではないかと感じています。
実際、4月の日本におけるIPO予定の9割が中止になったというニュースもありました。
一方でベンチャーやスタートアップは、元々が伸び盛りの市場や時期を捉えたビジネスを展開しているため、伸びるところは順調に事業を展開している印象を受けます。
厳しい折ではありますが、そういった伸び盛りの企業に投資するのは夢があることですので、私も参加しています。
詳細は、下記の記事もごらん下さい。
(6/2に募集開始予定の株式投資型案件)
www.sallowsl.com
(実際に投資した案件の紹介)
<FUNDINNO記事>
その他のクラウドファンディングへの影響
今回のコロナ禍で犠牲になった方々、大変な思いをしている方々がいる中で軽率と言われるかもしれませんが、今回のことがきっかけになったプラスの側面はまちがいなくあると感じています。
その一つは、「購入型・ファンド型」クラウドファンディングの成長です。
CAMPFIREでは「新型コロナウイルスサポートプログラム」を開催中。
新型コロナウィルスにより影響を受けた事業者を対象に、通常12%のサービス手数料を0%にしたプログラムを7/31まで受け付けています。
記事を書いている時点で、プロジェクト数は2000件以上、支援金額は40億円以上。
自分自身の自助だけではどうしようもない状況があり、国や自治体からの公助では届かない対象がある。
そんな隙間を埋める役目となる「互助」のクラウドファンディングには、今後私も積極的に関与していこうと思っています。
まとめと、副次的な影響
まとめますと、今回の新型コロナ問題は融資型(貸付型)と不動産投資型クラウドファンディングにはマイナスの影響を及ぼすことになると思います。
一方で株式投資型はその事業者ごとにまちまちであり、応援を目的とする購入型・ファンド型はさらに注目を受けることになったのではないでしょうか。
これは直接的な影響ですが、一方で私が主力としている融資型(貸付型)については、プラスの側面もあります。
今回の問題を受け、大手企業は次々とコミットメントライン(融資枠)を設定、あるいは拡充しているというニュースがあります。
コミットメントラインは「融資を申し込むかどうか分からない枠」。
これが拡大するということは、相対的には大手企業以外に資金が回りにくくなっているということです。
既存の銀行以外の資金調達方法として、クラウドファンディングには大きなチャンスが来ているかもしれません。
私も安全性を重視しつつ、投資を続けていこうと思います。