クラウドバンクから、新しいファンドが募集開始になりました。見逃していました。
これまでクラウドバンクで募集しているファンドは、「太陽光」「不動産」などとカテゴリーの名前が大部分だったのですが、今回はそのまま社名を冠したファンドが登場です。これは珍しい。
<目次>
ファンドの概要
・スター・マイカ・ホールディングス【東証一部上場】コラボレーションファンド
募集利率:3%
運用期間:26ヶ月
担保など:後述
ファンド名に「スター・マイカHD」と社名がダイレクトで載っているのは、なかなか珍しいと思います。
今回の資金使途は、スター・マイカHDの保有する約100戸の分譲中古マンションを取得する資金のバックファイナンスです。
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案件の立て付け
案件の立て付けは上記の通り。
融資先は合同会社で、この合同会社が特定目的会社へメザニンファイナンス(金融機関からの融資に劣後する融資)を行います。
特定目的会社はスター・マイカHDから分譲中古マンションを譲渡され、資産管理を委託。
中古マンションの賃借人が退去した後にリノベーションを行い売却する、というビジネスモデルとなります。
上場企業の不動産事業へ投資をするわけですが、直接投資ではなく合同会社への投資ということには注意です。
ESG投資の一面もある案件です。
このファンドのもう一つの特徴は、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の一面を持っていることです。
リノベーションによる分譲中古マンションの普及は、持続可能な開発の側面があり、良く聞く「空き家問題」の抑制にも役立ちます。
今一つ資金の集まりが悪い理由と、所感。
このファンドですが、今一つ集まりは良くありません。その理由を考えてみます。
まず一つは、3%26ヶ月という条件があります。
面白いもので、クラウドファンディングは事業者ごとに利率の「値ごろ感」のようなものがあります。普段5~6%の案件を募集しているクラウドバンクでは、この利率と期間は条件が悪いと思われたのかもしれません。
もう一つは、不動産が「裏付」になっているという表現から、不動産の担保があるわけではないところです。
追加して、クラウドバンクの累計応募金額が1000億円近いことからキャンペーンファンドを(私を含め)狙っているのかもしれないとも思いましたが、あと30億円はまだ遠いのでこれは主な理由ではないかもしれません。
やはり利率と期間、そしてその条件に比較して担保保証が少し弱いところが理由ではないかと思います。
せっかくESG投資という推せる側面があるのですから、上場会社へのリコースローンにするなり、何らかの方法で出資元本を強力に保全する形にすれば人気が出ると思います。
(個人的には少額で投資したいのですが、クラウドバンクの未投資額は日本円で¥392しかなく、断念)