ソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)の中で、私が最初に投資を始めたのがSBIソーシャルレンディングで、決算の開示がありました。
決算内容を、ここ3期分の決算と合わせて紹介します。
結論から言いますと、「ターニングポイントとなる決算」という感想を抱きました。
<目次>
決算データ
SBIソーシャルレンディングの直近3期分の決算は、以下のページで見ることができます。
・2018年3月期 → こちら
・2019年3月期 → こちら
・2020年3月期(最新) → こちら
最新の2020年3月期における決算は、
・営業収益(=期中貸付金):約324億円
・当期純利益:約3.4億円
・利益剰余金:約3,300万円
となっています。
特に、サービス開始からこれまでずっと累積損失があったところ、今期で初めて利益剰余金がプラスになったのは大ニュースです。
SBIソーシャルレンディングほどの人気度があれば、ソーシャルレンディング専業であっても健全な利益を出すことができる。
それを証明したのは、一つの転換点と言えるのではないでしょうか。
グラフ化してみました(営業収益、純利益、販管費)
2018~2020年の3期分の決算を、グラフにしてみました。こちらは主にP/L(損益計算書)の分です。
まずは貸付金(営業収益)、純利益、純利益率から。
一般の金融機関の純利益とクラウドファンディングを比べることはできませんが、純利益率で10%あればひとまず御の字でしょう。
専業クラウドファンディング事業者の利益は、貸付金に対する手数料がほぼ全て。
貸付金が増えれば利益も増えるというとてもシンプルな構造で、実際にその通りになっています。
続いて下記のグラフは、貸付金(営業収益)に占める販管費(販売費及び一般管理費)。
売上に対して販管費のパーセンテージが高くなると、一般的には収益構造の悪化を招きます。
2018年で25%だった販管費率は2019年、2020年で20%以下まで減少していて、貸付金の増大に対して販管費はそれほど増えていない、良い傾向だと思います。
グラフ化してみました(純利益、繰越利益剰余金、自己資本比率)
次は主に、B/S(貸借対照表)から。
初めにも触れましたが、今回大きな転換点となったのは、これまでの繰越損益が黒字転換したという点です。
グラフで示すと、ここ3期で利益状況が一気に向上し。2018年で500億円あった累積赤字が2020年でプラスに転換したことが良く分かります。
最後に自己資本比率。
こちらは2020年で1.7%と、金融機関としてはまだまだの値です。
自己資本は(資本金+資本剰余金+利益剰余金)なので、SBIソーシャルレンディングのように貸付金が多くB/Sが重い事業者では、利益剰余金が黒字転換したばかりの現状では自己資本比率が低めになるのは仕方がないことだと思います。
まとめ:キャンペーンにも期待です
以上が、ここ3期分のSBIソーシャルレンディングの決算状況の比較と推移でした。
クラウドファンディングの事業者が他の事業も行っており、事業の合算として黒字になった例は他の事業者であります。
(例:クラウドバンク(広告リンク))
しかし、クラウドファンディング専業で利益剰余金がプラスになった事業者はこれが初ではないでしょうか。
クラウドファンディングでは事業者の安定性と信頼性が最優先、経営状態や財務状態が安定してくれるに越したことはありません。
そういった意味でも、今回の決算状況は今後の期待が膨らむものでした。
さて、こうなってくると「祝:累積黒字達成」キャンペーンとかないかなと、こっそり期待しておきます。