FOLIO(フォリオ)の運営するロボットアドバイザー、「ROBO PRO(ロボプロ)」の説明会に参加しました。
説明会の内容の紹介(後編)と、所感を紹介します。
<目次>
前編の内容
前編の記事はこちらです。
前編では、以下のような内容について紹介しました。
・世界へ投資をする理由
・分散投資だけではパフォーマンスが最良でない理由
・ROBO PROと一般のロボットアドバイザーの違い
・コロナ禍におけるROBO PROの挙動と、答え合わせ
後編については実際のパフォーマンスを紹介しつつ、説明会で初めて聞いたマル秘情報や、所感を紹介していきます。
S&P500とROBO PROの比較
ROBO PRO(ロボプロ)のローンチ(2020年1月15日)から2020年8月末までのパフォーマンスは、下記の通りです。
ローンチ直後に新型コロナウィルスの問題が起き暴落したものの、その後に急速に盛り返し、この期間におけるパフォーマンスはおよそ+10%となっています。
(出典:ROBO PRO公式サイト)
一方で米国株の代表的な指標の一つ、S&P500の値動きは下記の通り。
1/15の終値は3289.29、8/31の終値は3500.31で、この時期におけるパフォーマンスは+6.4%。
(出典:SBI証券)
8月頃はGAFAMを代表例とするハイテク株が、S&P500を力強く牽引した期間(実際はほぼGAFAMのみが推進剤だったようですが)であり、それと比べてもROBO PROがアウトパフォームしているのは立派の一言だと思います。
おまかせ投資(AI抜きの投資)と比較したROBO PRO
代表的な経済指標であるS&P500と比較したところで、次は同じくロボアットアドバイザーとの比較を行います。
フォリオでは、ロボットアドバイザー「おまかせ投資」もサービスとして扱っています。
「おまかせ投資」は他事業者のロボアドと同様、AIは使用せず、当初に定められたポートフォリオ(資産配分)に沿って運用や調整を行うというものです。
そのおまかせ投資とROBO PROのパフォーマンスを比較した表が下記です。
(出典:ROBO PRO)
見ての通りのROBO PROの優秀さ。
過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月リターンのすべてにおいて、ROBO PROは「おまかせ投資」の全ての運用戦術を超える結果となっています。
*注意事項:
過去1年リターンは、ROBO PROがサービスを初めていないのでデータ無し。
サービス開始からのリターンは、ROBO PROの運用期間が異なるため比較対象として不適。
ROBO PROの年率リスクは、ポートフォリオを入れ替えるために不定であり参考値。
これを各月ごとに示した表が、以下のようになります。点線がおまかせ運用の各運用戦術、黒の実線がROBO PROです。
(出典:ROBO PRO資料をもとにSALLOWが作成)
コロナ影響下の2~3月では、安定運用を超えるほどの下落抑制を行い、その後の回復局面ではバランス運用~チャレンジ運用を超える上昇傾向を見せています。
これだけ見たら、「もうROBO PROだけでいいんじゃね?」と思えるほどの結果でした。
アクティブ投資の場合、ボラティリティ(相場変動)が大きい時、資産運用の本当の実力が分かると言います。
ボラティリティが小さい時は、誰がやっても似たような成績になるからです。
それを考えれば、ROBO PROはここまでのところ、優秀なファンドマネージャと判断できるでしょう。
ポートフォリオ入れ替えの手数料
ポートフォリオを大きく入れ替えるROBO PROですが、その入れ替えには当然売買手数料がかかります。
この点についてはちょっと細かく聞いてみました。以下がそのQ&Aになります。
Q1:売買手数料はどこに入れ込まれている?
A1:投資家からいただく年率1%の手数料の中に、全て入っている。
Q2:ポートフォリオの入れ替え頻度とその規模は?
A2:今のところは1ヶ月に一度の入れ替え。年で換算すると、ポートフォリオが3回はまるまる変わるくらい、⼤幅 な⼊れ替えを⾏っている。
Q3:ポートフォリオの入れ替えに要する手数料はどのくらい?
A3:もし個人が同じことをやろうとすれば、年率1.2%くらいになる。
Q4:もしポートフォリオを変えなければパフォーマンスはどうなっている? そちらの方が、手数料を差し引けば成績が良いということはないか?
A4:もし変えなければ、パフォーマンスは今よりも10%以上悪くなっている。
個人的には③と④が衝撃的でした。
ロボアド手数料1%は高い、というのは良く聞かれますが、A3の内容からすれば決して高くありません。
ROBO PROと同じようなアクティブ運用をすれば、個人ではさらに多くの手数料がかかることになります。
その上ポートフォリオの見直しを行わなければ、今のようなパフォーマンスは出ないということで、アクティブ投資としてはかなりの優秀さと言えるのではないでしょうか。
特にコロナ禍のような、「一気に落ちて一気に回復する」市場においては、人は感情を排することができません。
だったらいっそ、そういった感情を切り離せるAIが運用するファンドに、一部の資金で分散投資を行うというのも良いのではないかと考えています。
所感と今後の動き
まとめ:
・ROBO PROのローンチ~8月末パフォーマンスは、S&P500をアウトパフォーム
・ROBO PROは、AI非搭載ロボアドのどの投資戦略よりも、ここまでの成績が良い
・手数料1%の中で、全ての売買を実施している
・これまでのところ、ポートフォリオの切り替えはうまくいっている(ポートフォリオ不変ならパフォーマンスは10%以上低下している)
個人的には、手数料の点はかなり衝撃でした。フォリオは証券会社ですから、個人よりは少ない手数料で売買を行うことができるでしょうが、ROBO PROの戦略を個人でやれば、年率1%では足りない手数料を支払うことになるそうです。
ROBO PROには積立が(今のところ)ありません。
これも、AIがポートフォリオを随時調整するから、時間分散投資の重要性が他の投資と比べて少ないという理由があります。
AIは内容がブラックボックスで怖い、という意見もあると思います。
しかしROBO PROの投資対象ETFは明確であり、それを言えばそもそも市場の動き自体が未知のカタマリ。
それをビッグデータで予測する投資というのは、新時代の投資として一部の資産を預ける価値はあると、私は考えます。
11月にはさらなるAIの改良も予定されているということで、今後がますます楽しみ。
私も投資をしつつ、紹介を続けていきたいと思いますのでご期待下さい。