貸付投資の「Funds(ファンズ)」から、2つの案件が公開されています。
それぞれが異なった特徴のある案件です。内容を紹介します。
<目次>
JINUSHIビジネスファンド#1
最初の案件は、「JINUSHIビジネスファンド#1」。
東証一部の不動産デベロッパーである「日本商業開発株式会社」の、「JINUSHIビジネス」へ投資します。
・JINUSHIビジネスファンド#1
募集期間:(抽選)終了
(先着)10/9 19:00~
予定利率:2.0%
運用期間:2ヶ月(後述)
募集総額:7,000万円(うち、抽選で3,500万円)
JINUSHIファンドの特徴と注意点
JINUSHIファンドは、その名の通り不動産のうちの「土地部分」に着目したファンドです。
JINUSHIビジネスでは、上物と呼ばれる建物を所有せず、テナントと長期の事業用定期借地契約を締結し、長期安定収益を生み出します。
貸し出した土地の上物はテナントが負担するため、保守修繕費などの追加投資は不要。
20~30年の長期定期借地契約を結ぶため、長期にわたって安定収益が見込まれます(逆に、上物の収益による追加的なキャピタルゲインは望めません)。
今回は、資金調達チャネルの多様化を図るとともに、JINUSHIビジネスを投資家に認知してもらうためにFundsを利用したとのこと。
Fundsの狙った通りの、適切な利用法だと思います。
ただ本案件では運用期間が2ヶ月と短く、資金滞留期間が相対的に長くなるため実質利率が落ちる、という問題が発生しています。
先着募集10/9で即日振り込んだ場合、運用開始日(10/23)まで16日。
運用終了日~最終分配日までは31日。
合計47日の滞留期間があり、実質利率は2%→1.1%程度まで落ち込んでしまいます。
借り手の日本商業開発社の財務状況は安定していることから、貸付投資で資金調達をする必要に迫られているわけではなく、JINUSHIビジネスを投資家に認知してもらうことが目的なので短期間にしているのでしょう。
それは理解するのですが、さすがにちょっと滞留期間が長すぎて、個人的には食指が動かない案件です。
めいほうリゾートファンド#1
もう一つは「めいほうリゾートファンド#1」。
マザーズ上場の「日本スキー場開発株式会社」が、ファンド組成企業になります。
・めいほうリゾートファンド#1
募集期間:(抽選)~10/7 10:00
(先着)10/12 19:00~
予定利率:2.0%
運用期間:2ヶ月(後述)
募集総額:7,000万円(うち、抽選で3,500万円)
日本スキー場開発社では気候変動リスクに多おうすべく、ウィンターシーズン以外での資産の活用にも力を入れています。今回集められた資金は、日本スキー場開発グループのうち、岐阜県の「めいほうスキー場」のリゾート事業に充てられます。
めいほうリゾートファンドの特徴と優待
本案件、まず目を引くのは予定利回り「1.2%」という低さ。
正直言ってこの利率では、他に選ぶべき投資商品は多くあります。
しがたって、インカムゲインを狙って投資するべきものではない、と思います。
本案件の投資判断にあたり、重要なのは投資家優待でしょう。
10万円以上投資した場合、岐阜県郡上市の「めいほうリゾート」における、ウィンターシーズン・グリーンシーズンのいずれでも利用できる2種類の優待が送付されます。
この優待内容を魅力的に思うかどうか、というところが重要なファクターになってくるでしょう。
私は...グリーンシーズンなら利用したいのですが、ちょっと遠いのが難点かな、と考えています。
*できれば、投資金額に応じて優待内容が変わればいいのに、とも思いました。
あと一つ気になったのは、Fundsの案件では通常、上場会社が借り手となるリコースローンです。
ところがこの案件は上場会社がファンド組成を行い、借り手はグループ会社の非上場会社。
いつもとは構造が逆になっているのが、細かい点ですが少し気になりました。