SAMURAI FUNDで、大型のオータムキャンペーンファンドが登場しました。
以前、一度募集しかけて仕切り直しになった案件。
キャンセル前後で何が変わり、何が変わっていないのかを紹介します。
<目次>
募集案件の条件
今回募集されるファンドは、「オータムキャンペーンファンド2号」。
2号といっても1号は仕切り直しになった案件なので、実質的に1号扱いの案件と思っていいと思います。
・オータムキャンペーンファンド2号
募集開始:10/21 12:00~
予定利率:7%
運用期間:11ヶ月
募集金額:5億円(最低成立金額:4億円)
担保など:担保無し、日本保証社の債務保証付き
募集開始は10/21の12:00~。偶然でしょうが、bitREALTYの案件と同時募集となります。
募集総額は5億円ですが、最低成立金額が4億円と高めなのは注意です。
4億円以上集まらない限り、案件は不成立となり貸付は行われません。その場合は投資家の資金は預り金口座に戻されることになります。
仕組みと貸付先の情報
今回の貸付は、SAMURAI FUNDを通してリバイバルキャピタル社に貸し付けられる形で行われます。
リバイバルキャピタル社は貸金業者です。
リバイバルキャピタルの財務情報は以下の通り。
SAMURAI FUNDのページでは、リバイバルキャピタルについて「新設法人のため、2020年2月現在純資産以外の数値はない」と書いてありますが、この点は最新情報をきちんと掲示すべきだと思います。
(引用元:https://catr.jp/settlements/817d9/149276)
新設法人としては約117万円の軽微な赤字ですので、それほど問題ではないと思います。次期の決算は注視する必要がありますが。
保証について
今回の案件には担保はありませんが、債務保証は付いています。
もしもリバイバルキャプタル社からの支払が滞った場合、日本保証が債務保証を行います。
そして日本保証は、最終の資金需要者(物流会社)の複数不動産に担保設定を行っていますので、間接的には不動産担保のある物件、と言えそうです。
日本保証の債務保証残高は2100億円ほどあります(出典:こちら)ので、今回の5億円の融資がここに乗ってきても、それほど問題ではないと思います。
ましてや不動産担保もありますので万が一の場合でも、日本保証社が持ち出さなければならない金額は、抑えられると思われます。
(もっとも、そういった担保がなければ、日本保証としても債務保証は行わないでしょうが)
日本保証の保証能力はそれほど問題ないと思いますが、日本保証の財務状況のみを案件説明に掲載するのは、少し片手落ちだと思います。
日本保証はJトラスト社の100%子会社ですので、Jトラストの財務情報も公開すべきでしょう。
ちなみにこちらは連結赤字の状態です(ただし、コロナ状況下で昨年より赤字幅が縮小されていますので、経営状況は改善に向かっていると考えられます)。
1号とは何が違う?
今回の前身である1号案件は、「物流会社より予定していた事業計画に変更があった」という連絡を受け、募集途中でファンドが取り下げとなりました。
あまり起こって欲しいことではありませんが、機動性のある資金調達が融資型クラウドファンディングのウリの一つなので、ある程度はしかたないことだと思います。
その1号案件と比べて変わった点を探してみたところ、以下のような違いがありました。
①貸付総額:15億円→5億円
②運用期間:12ヶ月→11ヶ月
③営業者貸付金利:14%→13.5%
大きな違いは①で、この変更は営業者にとっても、投資家にとっても良いことだと思います。
以前のオータムキャンペーン1号の集まり具合では、残念ながら15億円が集まりきる感じではなかったことが一つ。
またいくら日本保証の債務保証が付いていると言っても、開業間もない会社に15億円を貸すことが適切かどうか、という点を考えても、貸付金額の減少は案件の健全性を改善することに資すると思います。