融資型クラウドファンディングの事業者、クラウドバンクから新ファンドが登場しました。
今までにない新しい仕組み、新しい投資対象の商品です。
さっそく内容を紹介します。
<目次>
今までにない、新しいファンドです
今回クラウドバンクから登場したファンドは、「米ドル建分散型先進国ローンファンド」。
これまでクラウドバンクが主に扱ってきた、不動産や再生可能エネルギーとは異なる、新しいタイプのファンドです。
・米ドル建分散型先進国ローンファンド
予定利率:4.6%(米ドル建・3ヶ月ごと支払)
運用期間:12ヶ月
募集総額:非公開
担保など:非公開
(*募集総額、貸付先情報、担保情報はログイン後に公開される情報となります)
今回の投資対象は、「企業集団に対するローン」です。
最終の資金需要者は、今回の投資資金をもって、米国を中心とした複数企業の証券化商品(ローン債券を裏付けとするもの)を取得することになります。
不動産や再生エネルギーなどとは一線を画し、投資対象が異なることから、クラウドバンクの中における投資対象の分散には役立つファンドだと思います。以下、詳細の紹介です。
証券化商品の特徴(分散)
最終の資金需要者が取得する証券化商品は、企業に対するローンを裏付けにしたもの。
対象となるローン債権は、「分散」「担保」「格付け」の3つの特徴があります。
まずは「分散」。
対象となるローン債権は、米国を中心に欧州を含め、100以上の企業のローンが組み入れられています。また一つの業種の中でも複数の企業・分野を組み入れることで、投資商品一つでリスク分散ができる仕組みとなっています。
(組み入れられるローンの業種別割合。ただし、当初予定)
ローン発行体企業には、Vodafone、DELL、FOUR SEASONSなど有名な企業が含まれているとのことです。
(ただし、ローンファンドの中身は流動的なため、常時これらの企業のローンが組み入れられているわけではありません)
証券化商品の特徴(担保・格付け)
次に、担保について。
最終需要者が取得するローン債権には、多くが担保設定がされています。
(多くが、という表現からして、一部は無担保社債もあるものと推測されます)
また担保だけではなく、発行企業に対しては負債制限、配当金制限、資産の処分の制限など色々な制約を課すことで、ローン自体の安全性を高めているとのことです(全ての企業に対しての制約ではありません)。
さらに「格付け」。
今回のローンは、Moody’sとS&Pから格付けを取得しており、信用リスクを客観的に測ることができ、格付けに変更がないかどうかをウォッチすることで、信用リスクの変動に備える仕組みとなっています。
手数料も特徴
さらに今回のファンドの特徴として、クラウドバンクの手数料(営業者報酬)が低いことが挙げられます。
クラウドバンクの通常の報酬は1.5%であるところ、今回の営業者報酬は0.5%です。
その分、投資家の利益は純増することになります。
もっともこれは、もし報酬を1.5%取ったら利回りが単純計算で3.6%になり、それでは人気が出ないだろうという経営判断もあったものと推察します。いずれにせよ投資家には有利なので、ありがたく受け取れば良い話ですが。
所感と「いつもの」
以上が今回、クラウドバンクから発表された新しいファンドの概要です。
先の投資先や分散・担保の仕組みを考えると、日本における無担保社債と同程度以上の安全性があり、かつ利率の点では日本の社債以上という、良いファンドになっていると思います。
米国債券に投資するETFには、AGGやBNDがありますが、それらとも似た性質を持ちます(AGGやBNDは4割程度が米国債、2割程度が不動産証券であるところ、それらを除いたのがこのファンドという言い方もできそうです)
もちろんすぐに飛びつきたいほどの案件なのですが、今はいつもの通り資金がありません。
資金回転をしてから、まだ残っていたら投資したいと思います。