不動産投資型のクラウドファンディングで、新しい事業者が登場します。
事業者が上場会社、劣後出資付きまではごく普通ですが、それ以外にもたくさんの新たな取り組みが満載で、盛りだくさんな内容になっています。
私もさっそく、会員登録を予定しています。
<目次>
「大家.com」は上場会社の子会社が運営
今回登場する新規事業者は、「大家.com」。不動産投資型クラウドファンディングの事業者です。
運営会社はグローベルス社。東証2部上場のプロスペクト社の関係会社(子会社)となります。
プロスペクト社は再生可能エネルギー事業と不動産事業を行い、グローベルス社も同様に不動産事業、そして今回のクラウドファンディング事業を行っています。
不動産×クラウドファンディングは旬の案件ですし、良くあるパターンの事業展開だと思います。
初回案件の詳細
大家.comの初回案件は、港区南麻布の不動産になります。
・「広尾」駅徒歩5分 港区南麻布の大家になろう!!
募集開始:12/14 12:00~
予定利率:4.0%
運用期間:12ヶ月
募集総額:2億円(投資単位:10万円)
案件だけを見ると一般的なものに見えますが、大家.comの特徴はこれだけではありません。
その特徴と魅力を、次に紹介していきます。
優先劣後構造+買取保証
通常の不動産投資型クラウドファンディングと同様、「大家.com」では劣後出資の仕組みがあります。
劣後出資は投資家と同じ案件に事業者も出資を行い、損害が出た際には事業者側が先に損失を受ける仕組みとすることで、投資家の出資金の安全性を高めているものです。
大家.comの大きな特徴は、劣後出資だけではなく日本保証の不動産買取保証が付いているという点。
これまでの事業者にはない、斬新で魅力ある仕組みです。
なぜ大家.comに日本保証が保証するかについては、少しややこしいのですがこういうことです。
・グローベルス社は2020年9月にプロスペクト社に株式が移る前は、KeyHolder社の関係会社
・そのKeyHolder社は、ネクサスバンク社(旧:SAMURAI&JPARTNERS)と業務提携関係にある
・そのネクサスバンク社と提携している別の会社が日本保証社
こういった関係から、グローベルス社の運営する「大家.com」に日本保証社が保証を行うことになったのでしょう。
何にせよ、この仕組みは画期的であり、魅力あるものだと思います。
STO(セキュリティ・トークン・オファリング)と株主優待
もう一つの特徴は、STO(セキュリティ・トークン・オファリング)。
セキュリティトークンというのは、トークンの形でデジタル化された有価証券のことです。
STOは、クラウドファンディングの特徴である、「一度投資すると資金がロックされる」という問題に対する解決策です。
STOを導入することで、運用期間中であっても出資分を譲渡することが可能になり、クラウドファンディングを株式や投資信託のように売買することができるようになる(*)わけです。
(ただし、あくまでも買い手と売り手が成立すればの話です)
株主優待もあります
さらには、上場会社の関係会社運営ならではの特典もあります。それが株主優待です。
2020年9月末日又は2021年3月末日の株主名簿に記載又は記録された株主さまを対象とし、グローベルスが運営する不動産特定共同事業法による不動産投資型クラウドファンディング「大家.com」で応募している収益不動産へ投資いただくと、通常の配当利回りに加え、投資額の1.0%分をキャッシュバックいたします。
(一定の諸条件あり)文章及び画像出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000065020.html
この特典のために株主になるだけのインセンティブは薄いように思いますが、上場会社の運営という特徴を生かし、かつ親会社の事業や株にも目を向けてもらおうという試みとしては、適切だと思います。
まとめ
大家.comは不動産投資型クラウドファンディングで、これまでにはなかったものを含め、多くの特徴と魅力のある事業者です。
・上場会社の子会社による運営
・劣後出資による出資金の安全性向上
・保証会社による不動産の買取保証
・STO(セキュリティ・トークン・オファリング)による、証券の流動化
・親会社の株式を所有していると、利率がアップする株主優待
今後の案件の頻度にもよりますが、これはなかなか面白い事業者がサービスを開始したと思います。
さっそく私も会員登録をしてみます。