今回は延滞発生の話題です。
maneoプラットフォームを利用する事業者の一つ、プレリートファンドで延滞が発生しました。
内容の紹介と、裏側の推測になります。
<目次>
延滞発生状況
プレリートファンドからの情報は、以下の通りです。
(以下、引用)
本件は当社(プレリートファンド)関連会社の事業者Aが、不動産保有会社Fが保有する不動産(信託受益権)に対して、ファンドA、ファンドB、ファンドCとして投資するための資金として、
当社においてファンド募集して、総額125,059,939円を事業者Aに対し貸付けいたしました。この度、事業者Aから2020年12月分の約定利息は回収いたしましたが、元金の未回収が発生し、延滞となりますことをご報告いたします。
私の案件への投資金額は、約65万円。
プレリートファンドへ投資している案件の残りが、全てこの案件に相当します。
延滞が起こることは、後述の理由から何となく察していました。
ただmaneoプラットフォームはこれだけ騒がれているのですから、既存のファンドについても延滞の見込みを調査するなり、突然延滞を発表する前に何らかの手を取るべきではなかったかについては、不満が残る対応です。
(これはプレリートファンドの問題ではなく、maneoマーケットの問題ですが)
延滞が起こった案件
今回延滞が起こった案件は、「グランド赤坂」案件。
センチュリオンホテルグループの運営するホテル案件で、日本を代表する都市やリゾートエリアで多数の案件を展開しています。
その中の一つ、赤坂にある案件です。
赤坂見附徒歩数分の至便な立地で、ホテルのページや立地、内装などから想像が付きますが、インバウンドが狙いの一つ、もしくはメインターゲットとなるホテルです。
となれば延滞の理由は簡単で、今回の新型コロナによるインバウンド観光需要の激減を受け、ホテルの収支状況が悪化。
本来なら大手私募REITなどに売却してEXITするつもりが、計画の変更を余儀なくされた、というものだと思います。
首都圏を含め、ホテル業界は大きな影響を受けていますから、今回の延滞はおおむね理解できます。
maneoマーケットの公表が遅かったことは責められるべきでしょうが、延滞そのものは誰の責任でもなく、天災の一種と理解しています。
不動産投資型クラウドファンディングとの対比
今回の延滞と対照的なのは、同じくホテル案件を多く抱えている不動産投資型のクラウドファンディングです。
例えば不動産投資型クラウドファンディング「CREAL(クリアル)」では、下記の通りホテル案件は大きな影響を受けてはいるものの、今のところ予定通りの運用となっています。
これには、CREALがマスターリース方式を採用していることも一役買っているでしょう。
おそらくプレリートファンドも、リファイナンス(ファンドの新規組成+借り換え)を行えば、延滞は回避できたと思われます。
しかしmaneoマーケットがこのような状況では、リファイナンスができず、延滞ということになりました。
融資型・不動産投資型の仕組みが異なることも要因の一つでしょうが、事業者(プラットフォーマー)が問題を起こしているかどうか、というところが根本的な問題だと思われます。
今後の見通し
プレリートファンドの本案件では、ファンドはA、B、Cの3種に分けられており、それぞれに利率と劣後順位が異なります。
(A→B→Cで利率が高く、より劣後することになります)
私が投資している65万円は、いずれもファンドA(利率が最も低く、優先されるファンド)です。
メガバンクや大手リース会社がシニア・シニアメザニンにがっつり食い込んでいる以上、物件そのものが無価値になるということは考えにくいです。
しかし一方でコロナ禍が一段落しなければ、当初予定していた私募REITへの売却は叶わず、延滞は続く可能性が高いです。
落ち着いた生活を取り戻すため以外にも、コロナ禍が一日でも早く解決して欲しい理由が、また一つ増えたことになります。