2020年の年末、クラウドファンディングの新しい展開がまた一つ増えました。
楽天証券がセキュリテと組んでファンド募集を始めた、という内容を紹介します。
<目次>
セキュリテとは?
まず簡単に、セキュリテの紹介から。
セキュリテは、ミュージックセキュリティー社(MS社)が運用する、ファンド型クラウドファンディングのプラットフォームです。
「セキュリテとは、事業者と個人をつなぎ、お金と仲間を集めるインパクト投資プラットフォームです。」
という言葉の通り、インパクト投資(投資を通じて、リターンを得ると同時に社会的課題を解決することを目的とする投資)のサービスを展開しています。
また、インパクト投資と近しいESG(環境・社会・ガバナンス)についても、法人投資家向けの関連商品を提供しています。
最初は何が「ミュージック」なのかな? と思ったのですが、レコード事業もやっていると聞いて納得しました。
セキュリテ×楽天証券
楽天証券は2020年の年末にセキュリテと提携し、業界初となるクラウドファンディングの取り扱いを開始しました。
楽天証券はMS社から委託を受け、ファンドの募集を行います。
実際の投資には、セキュリテへの会員登録が必要なことには注意です(楽天証券から直接投資できるわけではありません)。
現在、楽天証券経由で申し込みが可能なセキュリテのファンドは4つ。
これからもラインアップは拡大予定とのことで、将来的には楽天証券→セキュリテへの顧客(投資家)流入の流れが本格化する、ということも実現するかもしれません。
提携の狙いと、今後の展望
今回の件は、セキュリテと楽天証券、それぞれの狙いがマッチして実現したものと推測されます。
セキュリテとしては「クラウドファンディングの投資ルートの多様化、及び潜在投資層の掘り下げ」。
楽天証券は「近年注目されているESG、SDGs(持続可能な開発目標)を取り入れた、顧客層へ提供するサービスの多角化」。
鍵としてはESG、SDGsでしょうか。
ちょっと意地悪な表現をすれば、これらは「聞き心地の良い」投資ですから、セキュリテとしても楽天証券としても、大々的に宣伝や公表ができる内容なのかもしれません。
いずれにせよ、大手証券会社がSDGsとは言えクラウドファンディングと提携したということは、今後のクラウドファンディングの発展にとってプラスになることは間違いないと思います。