ロボットアドバイザー投資はまだ一般的とは言えませんが、徐々に広まってきています。
そんな中、そろそろ来ると思っていましたが新たな動きが始まりました。
これがロボアド業界内での健全な競争を生み、投資家の利益に繋がることを期待したいと思います。
<目次>
ロボットアドバイザー市場と手数料
今回の記事は、以下のニュースの内容を紹介するものです。
ロボットアドバイザー投資の市場は、アメリカで70兆円、日本では1兆円未満。
投資よりも貯蓄が好きという国民性も影響しているのでしょうが、アメリカではロボットアドバイザーの競争が始まり手数料の引き下げが行われた結果、市場が拡大したという歴史があるようです。
現在の日本における主力ロボットアドバイザーの手数料は、色々と条件はあるものの、デフォルトでは年率1%程度。
この手数料では、投資初心者が投資の王道である「長期分散投資」を学ぶには適していても、数千万円(あるいはそれ以上)の資金を投入するには適しているとは言えません。
*とは言え、手数料の多寡の議論に私はあまり賛同しません。投資の目的は資産構築の効率化であり、最小手数料を追求することではないからです。
新たなサービス「成功報酬型ロボアド」
こういった背景から、日本でも横並び年率1%の手数料がいずれ壊れる事は予想できていましたが、今回そのようなロボットアドバイザー「susten」が登場しました。
運営母体はベンチャー企業のsustenキャピタルマネジメント社。ゴールドマン・サックス出身のお二人がCEOとCIOを勤める会社です。
susten最大の特徴は、「成功報酬型」であるということ。
投資している商品が、「過去最高の金額を超過した時」に限り、その超過額のうちの一部(最大で18.37%)が運用報酬となります。
これ以外に必要なコストは、ETFの手数料・年率0.022%(税込)のみ。
つまり運用会社は、顧客の資産が過去最高を上回り続けない限り報酬を手に入れられないわけですから、セイムボート(利害一致)のサービスと言えると思います。
個人ができなかった「G」の投資
sustenのもう一つの特徴は、光の三原色(RGB)に見立てた投資ポートフォリオ。
このうちの「R」は全世界株式分散、「B」は先進国ヘッジ付き債券分散と良くある内容ですが、「G」については(文字通り)色合いが違います。
(susten 公式サイトより引用)
「G」は「グローバル複合戦略ポートフォリオ」と呼ばれ、「国内外の株価指数先物取引、国債先物取引および通貨先物取引+公社債」に投資し、株式市場となるべく連動しない形のリターンを目指すとのこと。
この領域はなかなか個人が触れなかった部分だけに、楽しみです。
国内最大ロボアド「WealthNavi」、下記リンクから申し込みで最大9,000円プレゼント!
lifemedia.jp
もう少し調べて、試してみようと思います
sustenの投資戦略は、一般のロボアドで使われている現代ポートフォリオ理論に加え、2000年代以降のファイナンス理論も取り入れたもの。
さらに前述の通り先物取引も取り入れており、投資商品の選択の幅も広がっていることから、「進化型ロボアド」と言うことだと解釈しています。
sustenのWebサイトには、各種の投資の特長をバーで比較したものがあります。
これによるとsustenは通常のロボアドに比べ、「より分散し・より低コストで・より不況に強く・より高シャープレシオ」との主張です。
一方でリターンとリスク(=リターンの不確実性)は表裏一体で、同一リスク下におけるリターンは一定値を超えないのが常識ですが、さてどうなることか。
sustenのサービス開始は2/15。もう少し調べて、試してみようと思います。
ロボアドの「次」について
成功報酬型のサービスについては、「リスクを他人に押しつけて、そこから儲けをとろうとしている」という批判もあるようですが、下記の日経記事の最後にもある通り、「儲けがでようがでるまいが、固定手数料をもらう」ような商品も事実としてあるわけで、どちらが健全かは言うまでもないでしょう。
(上記記事より引用)
ロボットアドバイザーは2010年代に始まり、そしていよいよ手数料の勝負が始まったのかもしれません。
競争原理が働いて手数料が少なくなれば、サービスへの資金流入が加速し、運用金額が増えることで会社の収益が上がり、さらに手数料を減らせる・・・という正のループが起きてくれることを期待します。
そしてもう一つ、上記の日経で「将来のロボアド」と呼ばれているのが「AI搭載で最適な資産配分を予測」するロボアドですが、実はこういったロボアドはすでに出ていますし、私も使っています。
それがフォリオ社の「ROBO PRO」。興味のある方は、下記の記事も合わせてごらん下さい。