SBIソーシャルレンディングから、最近界隈を騒がせている案件の続報が届きました。
まずは一報になります。
<目次>
これまでの概略
SBIソーシャルレンディング(SBISL)が「貸付先に重大な懸案」があったとする発表をしたのは、2月初旬のこと。
SBISLは社外の有識者により構成された第三者委員会を設置し、同委員会による調査を実施中です。
日本経済新聞で報じられたのは、以下のような内容でした。
・昨年11月から12月にかけて、2ファンドで元本返済がされなかった模様
・投資家への返済はSBIHDが立て替えた?
・事業会社が集めた資金を目的外に流用したとみられる
・金融庁にも報告済みとのこと
この際に一部メディアで名指しされたファンドは「SBIメガソーラーブリッジローンファンド24号・25号」だったのですが、どうやらこの事業体は別のファンドにも関与していたようです。
それが、今回の延滞に繋がっています。
SBISLからのメッセージ
今回分配金の遅延が発生したファンドは、そのファンドに投資している投資家向けに、SBIソーシャルレンディングのメッセージボックスで個別に連絡されています。
私の場合は次の通りです(改行は追加しています)。
■「分配金」の支払遅延が発生したファンド
・SBISL不動産ディベロッパーズローンファンド9号 2018年11月:出資額400,000円
上記ファンドは、弊社が運用するファンドのうち、弊社ウェブサイトにおいて2021年2月5日及び同月17日にお知らせいたしました貸付先に重大な懸案事項が生じている可能性が認められた複数ファンドに含まれております。
本件に関しましては、弊社がファンドの業務執行者として通常求められる善管注意義務を十分に果たしていなかった可能性があることなどの問題を認識し、現在、第三者委員会を設置してその調査に誠実に協力しているところです。
弊社といたしましては、投資家の皆様の保護を最大限に行うため、対象ファンドの未償還元本の償還等を含めた対応について引き続き鋭意検討を進めております。
それらに必要な取り組みや諸手続きにつきましては、進捗があり次第改めてご報告させていただきます。
情報を調べてみますと、ディベロッパーズローンファンドの一部が懸案事項が認められた事業体に関連するものだった模様。
私の場合は9号だけでしたが、複数のディベロッパーズローンファンドがこれに相当しているようです。
重要な点は赤文字。第三者委員会を立ち上げてすぐにも同じような表明をしていましたが、現時点においてSBISLは善管注意義務の不十分さを半ば認めており、対応について協議しているとのこと。
通常であれば損失補填は投資における御法度ですが、善管注意義務違反という理由があれば未償還元本の償還も行えるかもしれません。金融庁との折衝を含め、SBISL応援してます。
まずは静観です
これまでSBISLで起きた大型のデフォルトは、不動産バイヤーズローンファンドにおけるものでした。
あの時も色々と不動産の闇の部分(かぼちゃの馬車も絡んでいました)を見たものですが、さて今回の案件はどうなるのか。予断は許しませんが、私はどちらかと言えば楽観寄りに静観しています。
*もちろんこの楽観視は、最悪を覚悟した上の楽観ですが
ちなみに、私がディベロッパーズロンファンドに多くの金額を投資しなかったことには、深い理由はありません。
「万が一の場合に担保の評価価値が心許なかったから」という事を考えていなかったわけではないですが、どちらかと言えば好条件で競争が激しかったので、参加するのが面倒だったからです。
本件、第三者委員会+金融庁への報告が行われている以上、例え問い合わせてもこれ以上の情報は出てこないでしょう。
なので憶測で物を書くのはやめて、SBIの看板を汚したくないSBISLが、SBIグループの力を借りてでも金融庁との折衝を首尾良く終え、未償還元本の実質補填に成功することを応援したいと思います。