SBIソーシャルレンディングに関する一連の問題について、続報がありました。
内容をかいつまんで紹介します。
<目次>
公式文書のリンク
今回の公式文書は、4/28付けでSBIソーシャルレンディングの公式サイトに掲示されました。
事件の概要については、以下のように説明されています。
当社は、まず投資家から匿名組合出資を受け、次に当該出資金を基に借手SPCに貸付けを行い、その上で、借手SPCは、請負業者であるA社に請負代金の支払を行っておりました。
しかしながら、当社からの貸付金の一部について、借手SPCからA社に対して工事元請契約に基づき支払がなされた後に、当該資金が、借手SPCが発注をした不動産事業又は太陽光発電事業に使用された事実が確認できないことが判明し、また、当初スケジュールどおりの工事完成が困難となりました。
関係している(と推測される)事業者では、本日が特捜部が関係先に家宅捜索に入ったというニュースもあり、SBIソーシャルレンディングの問題だけでは終わらなそうな展開です。
調査報告書と関係者の処分
第三者委員会から提出をされた調査報告書には、今回問題となったファンドの組成について
・「虚偽の表示」又は「重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示」の存在
・営業者としての善管注意義務に係る違反の存在
が指摘され、その原因として
・投資者保護意識の問題や経営トップの営業優先の姿勢、審査・モニタリング体制の欠陥
が指摘されています。
この件に関しての関係者の処分は以下の通りで、誰が問題の中心だったのかはおおよそ推測できると思います。
今後について
SBIソーシャルレンディングからのお知らせには、「当面の間、新規募集を停止し、再発防止策の整備等に邁進する」という一文があり、再発防止策として以下の5項目が掲げられています。
①経営陣の意識改革
②独立した貸付審査部門の新設
③モニタリング体制の強化
④適切な貸付条件設定ルールの設定
⑤営業計画と人員計画
これだけを見ると、再発防止策を講じて再びサービスを開始するようにも取れますが、一方でレンディング事業から撤退するという一部報道もあり、今のところ予断を許さない状況でしょう。
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以上がSBIソーシャルレンディングの調査報告、再発防止策に関する速報です。
報告書の中に「本件における投資者被害は、SBISL の金融商品取引法に違反する行為により、その責に因って生じたものと認識しており、かかる投資者被害回復への取組みを全面的に支持するものである」とあることから、SBISLによる投資家保護は順調に進むものと楽観視しています。
一方、本当の意味で責任を全うするなら、再発防止策を講じた上でサービスを再開し、投資家の信頼を長い時間をかけて回復するのが筋だと思います。
10年近く前から投資している者として、SBIソーシャルレンディングがサービス再開の選択肢を採用することを望みます。
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