今回は、暗号資産に関する雑記です。
本記事においては、暗号資産(仮想通貨)の価値保存手段の側面にスポットを当てていますので、呼び名は「暗号資産」に統一します。
<目次>
スピンオフな雑記
この雑記を書くきっかけになったのは、お仕事でいただいた暗号資産のライター案件。
私自身は暗号資産をほとんど持っていませんし、技術的に深い知識もないのですが、暗号通貨に関してあまり知識がない方に分かりやすい内容として書いてみました。
そのライター案件で、当初のコンセプトには載せていたものの「あ、これはイマイチ合わないな」と思ってボツにした部分を、供養という名前のスピンオフで言葉にしてみたものが、この記事です。
なぜイマイチ合わないかと思ったか、その理由は読んでいただければ分かりますが、要は正確性よりも小説的表現に重きを置いた書き方だったからです。
暗号資産の価値とは
暗号資産には根拠となる価値がない、というのは良く聞かれる意見です。
この意見に対して、私は半分賛同します。
しかしもう半分は「根拠となる価値を論じることに、そもそも意味がないのでは?」と思っています。
確かに暗号資産にはよりどころはありませんが、それを言ってしまえば金にも日本円にも、よりどころは存在しません。ただ「そこ(金や日本円)に価値がある」と信じた人の総和が多く、信じられた期間が長いから、それは強固な価値があるとされているだけです。
これらの法定通貨や金と比べ、暗号資産に価値があると信じる人の数は少なく、その歴史も浅いものです。そのために信じることの強度が低く、暗号資産は容易に大きな値動きとなる、と考えます。
これは何かに似ています。つまり、信仰です。
信じれば価値になる、信じれば神になる
暗号資産は歴史が浅く、国による管理や監視を受けず、参考となる指標もなく、アンダーグラウンドを含めて誰もが価値をやりとりすることのできるモノです。
このような性質のある暗号通貨は、法定通貨や金などと比べて、はるかに雑多でカオスな(善悪、黒白、正誤がごちゃ混ぜになった、という意味で)意図の下に価値が揺れ動くことになります。
正しくとも間違っていても、そんなことはどうでも良く、それを信じる人が多ければ価値が生まれるし、価値はどこまででも引き上がっていく。もちろんその逆も容易に起こりえる。
信仰があれば神(価値)が生まれるというのは、日本の八百万の考え方と似ているように思います。
そう考えると日本でビットコインが盛り上がるのは、ある意味当然なのかもしれません。
山河草木悉くに神様を見出す日本人なら、暗号通貨というデジタルデータ上の仮想を信仰するのも、実は容易いことなのではないでしょうか。
議論の無意味さ
ビットコインなど暗号通貨について、もっと言えば株や投信などの価値について、実体経済と乖離していることが問題だという意見が散見されます。
しかし現状の過剰なマネー供給下では、株価が実体経済から乖離するのはむしろ妥当です。
さらに本質的な価値も指標も持たない暗号通貨が、仮想信仰を得て実体経済から乖離するのは当たり前であり、その価値の妥当性を議論することこそ無意味なのだと考えます。
暗号資産の投資は高ボラティリティの上、要人発言の一発で変わってしまうもの。
善し悪しや「こうあるべき」論は横におき、暗号資産というものはそういうものだと弁えて、火遊びはほどほどが良いと思います。もちろん、自分を灼く勢いの火遊びがお好みの方は、自己責任でご自由に。
まとめ:それは投資か投機か?
同じ投資行動であっても、中長期的な値上がりを期待して保有する「投資」と、値動きによる利益を取りにいく「投機」に分けられる、という意見があります。
そしてビットコインなどの暗号通貨への投資行動は、ただの投機であるとの意見も散見します。
ところで私は、投資と投機とを分ける意見に賛同したとしても、投資と投機の間に順列を付けることについては賛同しません。
自分自身でリスクをコントロールできる限りにおいて、投資と投機は本人にとっては等価値であり、他人にとっては値踏みすること自体が余計なお世話でしょう。
投資にせよ投機にせよ、得た果実が自分だけの物である以上、損も自分だけの物です。
損得ともに自責であると理解・実践してさえいれば、どんな投資行動もその当人にとっては適切なものであり、他人にどうこう言われる筋合いのものではないと考えています。
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www.sallowsl.com
「良い投資は、退屈な投資である」
— SALLOW@クラウドファンディング投資家 (@SALLOW_SL) 2021年5月25日
分かってます分かってます。
多分それは本当のことです。
だけど投資も投機もまとめて好きな私としては、楽しめなければ投資行動じゃないのですよ😆
楽しみのために少しの利益を失っても、それは入場料やアトラクション代金なので、ノープロブレムです🥳