フォリオ社のロボットアドバイザー、「ROBO PRO(ロボプロ)」の話題です。
ロボットアドバイザーで良く言われる「手数料が高い」という問題について、掘り下げて調べてみました。
この記事は【前編】です。後編はこちら。
<目次>
ROBO PROの手数料
ROBO PROの手数料は、税引後で年率1.1%。
これを日割りして、毎月の合計額から差し引く形で運用されています。いくら払ったかは履歴で確認することができ、私の最新では¥2,276でした。
このROBO PRO(ロボプロ)の手数料は、例えばインデックスファンドやETFなどと比べると高く、ロボットアドバイザーに対する否定的意見の論拠として挙げられることが良くあります。
その論理自体はまちがいありません。しかし重要なのは手数料の絶対値ではなく、その手数料が割高かどうか、そしてリターンはどうかということだと思います。
(関連記事)
www.sallowsl.com
ROBO PROの手数料は割高か?
多くのロボットアドバイザーとROBO PRO(ロボプロ)の最大の相違点は、ROBO PROはAIがマーケットデータを読み、基本的に毎月、大きな変化が起きた時は随時、ポートフォリオを入れ替えるという点です。
実際にロボプロはこれまで大幅にポートフォリオを入れ替えており、2020年1月のサービス開始から1年間では、以下のようなポートフォリオの変更が起きています。
(濃い緑が株式、グレーが債券、水色が不動産、黄色が金)
そして、このポートフォリオ変更のために必要な手数料は下記の通り。
11回のリバランス平均で0.17%、つまり年間に戻して考えると0.17×12=2.04%となり、ROBO PROの手数料1.1%を超えています。
リバランスの費用が手数料を超えたからと言って、超過分の手数料が請求されるわけではありません。
つまりROBO PROの手数料は、同じ事を手動でやるよりも割安だということになります。
もしリバランスしなければ?
次の疑問は、「リバランスの手数料が割安なのは分かったが、そもそもリバランスしなければよかったのでは?」というものです。
これについても、バックデータにより否定されています。
リバランスをもししなかった場合、2020年1月~2021年1月におけるリターンは+13.99%→5.82%と、8.18%悪化します。
リバランスによる手数料は年率2.04%なので、どちらが有利かは言うまでもありません。
*実際に投資家が支払う手数料は、年率2.04%ではなく1.1%です。
他のロボアドやインデックス指標との比較
ここまでの調査結果から、
・ROBO PROの手数料は割高ではない(むしろ割安)
・ROBO PROのリバランスはこれまで効果を上げ、リターンを生んでいる
ことが分かりました。少なくともROBO PROについて言えば、一般的にロボットアドバイザーについて言われている「手数料が高い」という主張は、誤りと言えるでしょう。
残る問題は、ROBO PROが他のロボットアドバイザーや各種指標と比べてどうかということ。
これについては、後編で検証してみます。