今回はクラウドファンディングと言うより、もう少し広い「不動産投資」という視点での話題です。
先日リリースされたニュースを読んだのですが、不動産投資には興味深い変化が訪れようとしている、と感じています。
<目次>
クラウドリアルティがWealthParkグループに参画
先日のニュースというのは、不動産に特化した投資型クラウドファンディングを運営する「クラウドリアルティ」のものです。
7/14、クラウドリアルティはWealthPark株式会社に全株式を譲渡し、WealthParkグループに参画することになりました。
WealthParkは、不動産の領域における資産管理・運用のSaaS型プラットフォームを運営しており、2021年の3月には不動産管理会社向けに、小口化事業DXプラットフォーム「WealthPark Alternative」の提供を発表しました。
今回のクラウドリアルティの参画は、この流れを加速するものになると思われます。
現物不動産と小口不動産の一体管理
(引用元:https://wealth-park.com/ja/news/20210323001_wp_alternative/)
「WealthPark Alternative」の導入により、不動産管理会社・投資家のそれぞれにおいて
「現物不動産と不動産小口化商品の管理が同一画面で可能」
という変化が起きます。
これまでは現物不動産は現物不動産、小口化商品は小口化商品として別々に管理運用を行っていたところ、その垣根が取り払われ、「同じようなもの」として取り扱われていくと予想されます。
つまり、現物不動産と小口化商品の融合が起こっていくのではないでしょうか。
クラウドリアルティの参画の意味
(引用元:https://wealth-park.com/ja/news/20210714001_crowd-realty/)
クラウドリアルティは元々、不動産に特化した投資型クラウドファンディングを運営していましたので、「不動産の小口化」ということについては一日の長があります。
WealthPark社の提供する「現物不動産と不動産小口化商品の管理が同一画面で可能」なプラットフォームと、クラウドリアルティの「不動産の小口化」が合わさることにより、既存の不動産を小口化して提供するサービスが加速する、ということが予想されます。
最後の境界線
今回のクラウドリアルティの参画は一つのニュースにすぎませんが、その背景にあるのは
「現物不動産と不動産小口化商品の融合」
という大きな流れだと思います。
この流れはこれからも加速していくでしょうが、未だに現物不動産と不動産小口化商品の間には、最後の境界線が引かれています。
それは、銀行からの融資によるレバレッジの可否です。
現物不動産の投資をするために銀行から融資を引くのは通常のことですが、不動産の小口投資ではあまり聞きません。ましてやクラウドファンディングのような匿名組合型では、不動産の現物への投資ではないため、融資は通らないと思っていいでしょう。
現物不動産の投資家を小口不動産へ流していくためには、「融資によるレバレッジをどう実装するか」という点は避けては通れないように思います。
既存の金融機関が姿勢を変えるには長い時間が必要でしょうし、もしかするとここはBaaS(Banking as a Service)を利用して、「現物/小口不動産投資用融資サービス」なるものが出てくる可能性がワンチャン? などと想像しています。
実現可能性は低いと思いますが、もしもこんな融資サービスが登場したら、不動産投資の景色はガラリと変わるかもしれません。