最近つらつらと考えていることについて、雑記にしてみます。
クラウドファンディングのみならず、投資全般に関する話題です(なお後で述べますが、本記事においては投機も投資のうちとしています)。
<目次>
長期投資は一般解であり、それだけが投資ではない
もし私が誰かから投資のアドバイスを求められたら、VTIでもVOOでもいいからインデックスに積立で長期投資しておけばいい、と返します。
その理由は、インデックス・積立・長期投資は投資の一般解であり、もっとも多くの人にとって適切な投資法だと思うからです。
しかし一般解はあくまでも一般解であり、最適解ではありません。
ましてや唯一解なんてものはそもそも存在しませんので、いかなる投資商品であっても何かが「正解」であることはなく、何らかの投資商品を絶対的に正しい、あるいは間違いとする主張は正しくありません。
投資は個人が行うものである以上、個人の嗜好や好き嫌いが入るのは当然。
自分の選択と責任で行う限りにおいて、インデックスも米国株もレバレッジもFXも暗号資産も、その人にとっては等しく投資です。
コロナショックが一つの区切り
「これまでの投資の常識を再考すべき」という今回のタイトルですが、考えてみれば事の起こりはコロナショックだったのではないかと思います。
コロナショックによる需要の落ち込み等の要因から、WTI原油先物は一瞬、マイナス37ドル/バレルというレジェンド価格を付け、原油市場は完全にカオスとなりました。
(レジェンドな一瞬)
その後はご存じの通り、世界の投資市場は緩和マネーの流入も受け、実体経済を置いてけぼりにして急回復。
これまで数十年投資を続けていたベテランのリターンを、コロナショックから投資を始めたビギナーが余裕でぶち抜いていく、などという現象も生じました。
色々な意味で、コロナショックが相場の光景を変えたのは間違いないと思います。
「中身が分からないもの」への投資
「中身が分からない・理解できないものには投資するな」というのは、投資の格言の一つです。
裏付けとなる資産がなければ容易に価値は揺らぎますので、そういったものへの投資はリスクが高いというのは理解します。
ですが最近、暗号通貨やNFTなど「中身が分からない・裏付け資産を保たない」投資対象も数多く登場しています。
ではこれらに投資するべきではないのかと言うと、事実多くの投資家が参入し中には莫大な利益を上げている人もいます(もちろん、その逆もあります)。
これらの投資は「リスクが高い」と言っても良いでしょうが、一概に「投資すべきではない」とは言えません。
「そんな商品は長続きしない」という意見もあるかもしれませんが、そういった投資をする人は長続きを期待してはいません。状況が変わればまた別の投資へ乗り移る、それを当然としているわけです。
つまり現実に、「中身が分からない」「理解できない」「裏付けがない」ものであっても、そこにモメンタムと人気が重なれば、投資商品たり得るわけです。
投資と投機は分けるべき、だけど・・・
次に、投資と投機の話。
定義を引けば、投資と投機というのは明確に区別できます。
長期的な成長を期待して保有するのが投資であり、値動きを利用して利益を取ろうとするのが投機です。
投資なのか投機なのか境界線が曖昧な商品もありますし、人によって投資と投機の線引きが異なるのは当然でしょう。
私はその上で、投資であっても投機であっても(どこに線引きをしても)、投資と投機の間に優劣を付ける必要はないという意見です。
機関投資家でもない限り、個人にとって投資は資産構築の手段でしかなく、他人と成績を競うものではありません。
つまり何かの投資を指して、「個人的に向いている/私は苦手」という範囲を超えて良し悪しを評価する意見は、何らかのポジショントークでしかないということです。
常識が通じなくなった、と言うよりも。
ここまでをまとめます。
・インデックス、分散、積立、長期投資は適切な解ではあっても、最適解かどうかは人次第
・コロナショックで相場が大きく動き、風景が変わったのは間違いない
・裏付け資産がないもの、中身が良く分からないものでも、短期間では投資対象となり得る
以上のことから考えると、これまでの投資の常識が通じなくなったというより、常識が多様化し新しい常識が生まれている。そしてライフスパンが短い常識も生まれている、と言えそうです。
(もちろん例えば、「分散投資を心がけよ」のように普遍の常識もあります)
投資に限りませんが、常識すら一つではないこと、時と場合によって変化するものであることを理解しないと、前提条件の違いによる不幸なすれ違いが起こりかねません。
常識すら変わっていくのだから、情報の受け取り手の側には常にアップデートが必要。そんな変化が楽しめるかどうかという点も、今後は大事になってきそうです。