今回は雑記を書いてみます。
少し前に話題になった金融所得増税について、そして投資全般について。
<目次>
金融所得増税と撤回
岸田首相は、総裁選で現在一律20%の金融所得課税を見直し、引き上げるという考えを示しました。
このニュースを見た時には「けっこうな地雷原に踏み込むなー」と思っていたのですが、結局のところ後にこの考えを撤回し、「当面は触ることは考えていない」という意見になっています。
あくまでも「当面は」なので、シナリオ的にはいずれしれっと復活する可能性が高いと思いますが、少なくとも2022年度の税制改革には含まれないことになったようです。
撤回の背景と、私見
今回の金融所得増税→撤回という背景には、金融所得増税でもっとも影響を受けるのは誰か、ということがあります。
富裕層の大部分は高齢者であり、投資に参加している人数や投資額においても、高齢者は大きな割合があります。金融所得増税を行えばこの層に対する影響が大きく・・・要するに選挙対策です。
(投票する側もそういう候補を選んでいるわけなので、選挙対策が悪いとは言いませんが)
確か金融庁は以前、「リスクを取って得たお金(=投資のリターン)が、そうでないお金(=労働収入)より税率が高くなるのはおかしい」という意見を表明した記憶がありますが、個人的には賛同しかねます。
労働収入は自分の時間をお金に転換しているものであり、運が悪ければ身体や精神(あるいはその両方)を痛める可能性すらあります。投資と労働はリスクの方向性が異なるだけで、その本質は同じだと考えます。
極個人的には、いっそのこと全ての所得の垣根を取っ払って、総合課税で累進税率を適用したらいいと思っています。それこそが公平というものかと。
一般人の視点
新型コロナの苦しい局面から日本は脱しようとしていますが、苦しい状況下においても、実体経済と乖離した株高は続いていました。
株価が実体経済と乖離するのは珍しいことではないので、その点については特に意見はありません。
ただ一般人(=投資していない人)から見れば、「給付金ももらえないのに、実体を伴わない株高で投資家が儲けやがった」という意見もあるかもしれません。
そうでなくとも、行動制限や深夜営業自粛により不満が溜まりがちな昨今、もしかしたら金融所得増税の話は一種のガス抜きだったのかもしれない、と感じています。
投資家が儲ければけしからん、損をすれば自業自得。そんな投資クラスタ外の意見には言いたい事もあるかもしれませんが、投資クラスタ内部においても似たようなことは起こっているので、お互い様と言えるのかもしれません。
個別株なら下げた会社、クラファンならやらかした事業者を叩くのは心情的にしかたないにしても、他者を叩いておきながら投資判断した自分にお咎めなしというのは、いくらなんでも自分に甘すぎだと思います。
— SALLOW@クラウドファンディング投資家 (@SALLOW_SL) 2021年10月14日
会社や事業者を叩いた3倍くらいの勢いで、壁に頭突きするのが相当かと思うのです🤣
マイノリティの話
この国で投資をしている人は、投資家である前にこの国の人なのですから、投資クラスタの外に視線を向けるのは大事なことだと思います。
以前にも、こんな記事を書きました。
(参考記事)
www.sallowsl.com
投資クラスタの一部で、投資していない人、労働収入だけを得ている人を下に見るような意見を時々見かけます。
個人の考えは自由ですが、放言は自由ではありません。投資している人と投資していない人の間で断絶が起こるのなら、投資している人にとっては面白くない結果が待っているでしょう。
事実として、投資していない側がマジョリティなのが今の日本です。
であれば投資家はマイノリティの自覚を持ち、「投資していることは特別なことでもなく、偉いわけでもない」という姿勢であるべきだと思います。それが結局のところ、自分の利益につながってくるわけなので。