ECF(株式投資型クラウドファンディング)に、大きなニュースがありました。
非上場会社の株式をオンラインで売買できるセカンダリーマーケット、「FUNDINNO MARKET」の紹介と所感です。
<目次>
FUNDINNO MARKETの紹介
FUNDINNO MARKETは、株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO(ファンディーノ)」で開始された、非上場会社の株式を売買できるセカンダリーマーケットです。
(事業者から株式を買うのがプライマリーマーケットで、投資家同士が売買するのがセカンダリーマーケット)
と言っても全ての投資家が、これまでFUNDINNOで取り扱ってきた全ての株を売買できるわけではなく、投資家も取り扱い株の双方がFUNDINNOによる再度の審査を受ける必要があります。
また、FUNDINNO MARKETは株式の流通市場ではありますが、通常の株式売買とは異なる特徴を持ちます。
次にこの点について紹介します。
注文の成立方法
取引市場における通常の株売買とは異なり、買い注文と売り注文のマッチングによって行われます。
非上場の株式売買には株主コミュニティという仕組みを利用しますが、株主コミュニティには成行注文ができない・信用取引ができないなど、様々なルールがあるためのマッチング制度と思われます。
(参考URL)
market.jsda.or.jp
例えば売り注文が先に入った場合、その売り注文よりも高い買い注文があればマッチングが成立し、売り注文の金額で取引が行われることになります(下記の図を参照)
(売り注文先行時)
逆に買い注文が先に入った場合は、買い注文よりも安い売り注文があればマッチングが成立し、買い注文の金額で取引が行われます(下記の図を参照)
(買い注文先行時)
なおマッチングが成立する組み合わせが複数あった場合は、先に買い/売り注文を出した方が成立するそうです。
参加企業
株式コミュニティに参加する企業は、FUNDINNOでこれまで募集し運営を続けている中から、FUNDINNOの審査を通過した企業となります。
おそらくこれに加えて企業側の立候補もあるはずなので、参加するかどうかは企業の運営方針にも関わってくると思います。
2021年12月11日時点、株主コミュニティへの参加企業は4社。
私が出資しているハーバルアイも入っていますので、俄然興味が湧いてきました。
株式コミュニティへの参加費用
非上場株式の売買は、上場株式と同様手数料がかかります。
固定費として、株式コミュニティへの参加費用が月額1,100円(年額11,000円)、売買手数料は売手・買手ともに5.5%。
FUNDINNO MARKET登場記念として、入会後3ヶ月は会費が無料、また2022年2月末までは売買手数料が無料になります。
所感
以下、所感です。
ECF(株式投資型クラウドファンディング)における、オンライン初のセカンダリー市場の登場をまずは素直に喜びたいと思います。
これによりECFの性質が変わっていく可能性もありますが、流動性に乏しかったベンチャー株が流動性を持つことにより、市場自体が活発になり資金流入も増大することが期待されます。
一方で正直な感想としては、「売買手数料は分かるけど月額固定費は勘弁して」ということ。
その他、マッチング方式でも現状の買い売り注文が透明化されていないと、開かれたセカンダリー市場にはならないという懸念もあります。
このあたりはまだサービスが始まったばかりなので、まずは様子見、そして今後の改善に期待です。