大晦日の雑記です。
日本における必勝法の話、そして必勝法が成立する条件について、つらつらと書いてみました。
<目次>
日本における必勝法
FIREを志すにあたって私は日本の年金や税制について調べ、FIRE後の生活について確度の高い予想を得ようとしました。
FIRE後の生活はどうしても収入が減りますので、確度の高い予想を行った上で一定の冗長性を考慮してこそ、余裕のある生活を送る基盤となります。
その調査の際に改めて気付いたのは、日本における必勝法。
つまり一握りの圧倒的強者以外は、自分の立場を隠して弱者のフリをするのが最適解だということです。
FIREを志す人は、そうでない人と比べ平均的に多くの資産を所有しており、また資金を生む能力も高い傾向があると思います。
しかし日本において高所得者は、社会保険料や所得税が増加するのみならず、各種手当の支給対象から外されるなど、様々な側面で負担が大きくなります。
そのため例え高所得を得ることができたとしても、その能力は隠してあえて低所得層にとどまり、税や保険料の負担を最小限にとどめることが最適となります。
日本は弱者に優しい。色々な制度を調べるにつれ、このことを強く感じました。
必勝法が成立する条件
ここで少し話を変えて、「必勝法が成立する条件」について考えてみます。
本来は勝負ごとにおいて、必勝法というのは存在しません。
そんな方法があれば誰もがその選択をとり、結果として必勝法はただの「平等な手段」になってしまうからです。
にも関わらず必勝法があるとすれば、それは次のような条件が重なった場合でしょう。
①ルール上にバグが存在する
②そのバグが隠されており、情報の非対称性によって万人に開示されていない
③バグを発見できても、利用の難易度が高い
幼稚な表現をすれば、必勝法とはルールの中に「ズルい」ものがあることが成立条件で、それを目ざとく見付けて利用できるようにした者が利益を得る仕組み、と言い換えられます。
(関連記事)
www.sallowsl.com
本当の意味の格差是正
最近この国では、格差という言葉を耳にすることが多くなってきました。
正直なところ私の意見は、今の日本の格差が拡大していることを認めたとしても、拡大が悪いとは思っていません。むしろ日本の問題は、不適切で行き過ぎた格差是正により、全体が貧しくなるコースをたどっていることだと思います。
本当に是正すべき格差というのは、是正することより特定の集団が利益を得るのではなく、社会全体の便益が向上するものであるべきと思います(例え社会全体の便益向上の影で、特定の集団が不利益を被ったとしても、です)。
今のようにそこそこの高所得者層を増税で締め上げたり、雇用の既得権益を放置しつつ定年の延長を行ったところで、一部の人のガス抜きにはなっても、結果として社会が貧しくなるだけのことです。
そうした意味で言えば、「資産はあるのにあえて低所得層にとどまり、税や保険料の負担を最小限にとどめる」というバグは、現代における必勝法であり、かつ是正すべき格差の一つです。
必勝法が必勝法のままあり続けることは、全体のルールをゆがめてしまうことであり許容できません。
必勝法はいずれ潰されるからこそ、一時的に有利な手として存在できるのだと思います。
まとめ:あるものは利用する、例えその仕組みに反対でも。
ところで、先の「資産はあるのにあえて低所得層にとどまり、税や保険料の負担を最小限にとどめる」という手は、まさに私が実行している手段です。
その立ち位置にある私が言うのもなんですが、適切な格差是正のためにこのバグは早く潰すべきだと思います。
バグの存在に批判的なのに利用するのはおかしい、という意見については謝絶します。
自分に有利だから擁護するのはポジショントークですし、自分に不利だから批判するのはただの妬み嫉みにすぎません。自分に有利で利用しているにも関わらず、批判的に取り上げてこそ説得力が増すというものでしょう。
バグの賛否はともかく、あるものは利用するだけ。
そのバグが潰されても文句は言わず、温めておいた次のアイディアを実行に移す。そうした前向きな思考が、結果として自分に有利な状況を運んでくるのではないかと思います。
言わばこういった思考こそが、国や時代によらない必勝法ではないでしょうか。