ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)で、国からの新たな動きがありました。
内容と所感を記事にします。
<目次>
時期的に考えて、きっかけはやはり
ソーシャルレンディングの規制強化については、少し前から情報としては出回っていました。
例えば5月末の日経の記事ですが、この時点ですでに「事前審査を義務化するよう、法改正を検討」という内容が記事になっています。
上記の記事の中で、「金融審議会が6月にも中間報告をまとめる」とありましたが、どうやらこの内容がまとまったようです。
しかしそれにしてもタイミングを考えると、今回金融庁が動いたきっかけはSBIソーシャルレンディングの一件とみて間違いないと思います。
SBISL問題の後で金融庁が相当ナーバスになり、融資型クラウドファンディング全体について締め付けを強化していたのは事実のようで、それは今回の法改正までの過渡期における対応だったのではないでしょうか。
金融審議会の中間報告
今回の金融審議会においてまとまった中間報告は、以下の通りです。
下記リンク先の、P.18~P.19あたりに報告がまとめられています。
有価証券に投資する有価証券投資型ファンドに対しては、投資運用業に関するルールが整備されているのに対し、ソーシャルレンディングのような事業型ファンドにはルールが適用されていないところ、今回の法改正によって同種のルールを適用させる方向へ規制を強化する、という内容。
具体的には
・善管注意義務や忠実義務、投資家に対する追加的な情報提供など適切な運用
・ファンド組成に先立っての適切な審査や、投資家に対する事業の状況の定期的な情報提供
など、通常のファンドと同様の規制を行う法改正を2023年に行うことを目指す、との内容が書かれています。
所感
まず私の所感ですが、今回の金融庁の規制強化には賛成ですし、今後のソーシャルレンディングのためになると考えます。
遅きに失したという意見もあるかもしれませんが、
・新しいサービスができる
↓
・プレイヤー(事業者・投資家ともに)が拡大する
↓
・その中で小さな問題が積み重なる(まだ規制は動かない)
↓
・どこかで大きな問題が起きる
↓
・その後で規制が強化される
というのはあらゆるサービスが通ってきた道で、警察が事件が起こらなければ動きにくいのと同様、有名なプレイヤー大事件を引き起こさなければ金融庁が動くことはなかったということでしょう。良い悪いではなく、世の中なんてそんなものです。
いずれにせよこれで金融庁が動き、法整備がされれば、ソーシャルレンディングはもう一段階手堅い投資になる可能性が高いです。
そうなれば投資している私には願ったりですし、もしかするとその延長線上には株や投信などと同じ分離課税の道もあるのでは・・・? などとも想像したりしています。