FIREする前は念のためリアルでの付き合いは慎重にしていたのですが、FIREしたことをきっかけに立て続けに2回リアルの飲み会に参加する機会がありました。
その際にFIREについて色々考えることがありましたので、雑記にしてみます。
<目次>
まず始めに、FIREの定義
FIRE(経済的自立と早期退職)の向き不向きを書く前に、本記事におけるFIREの定義をしておこうと思います。
というのもFIREは(特に、REについては)人により定義の振れ幅が大きく、この部分をきっちり前提条件として定義しておくことが、今回の記事において大切だと考えるからです。
本記事においてFIREは、「完全でも不完全でも一応の経済的自立を果たし、勤めていた会社から退職する」こととして話を進めます(*)。
*この定義が一般的なものかどうかではなく、あくまでも本記事における前提の話です。私がこの場合ですから話を進めやすい、という理由でもあります。
このようなFIREを果たした時に何が変わるのか、私の場合を例に挙げて書いていきます。
FIREによって変わるもの
一応のFIを達成し、少なくとも現在勤めていた会社から辞めることを考えると、何が変わるのか。
ぱっと思いつくのは入金力の減少、それによる資産構築(維持)の不安定化ですが、何よりも変わることは人間関係のリセットだと思います。
特に大きな会社勤めをしている場合、自分は自分個人として見られるているわけではなく、人間関係の大半は「**社に所属している**さん」という前提の上で成り立っています。
だから会社を辞めれば、個人的な関係を築いていない同僚は疎遠になりますし、外部(取引先など)も疎遠になるのが当たり前。
そのあたりを勘違いした元・大手企業管理職の悲劇というのは、ネットニュースなどでも良く目にする話ですし、私の元いた会社でも聞こえてきた話題です。
他人との関わりの変化をどうするか?
FIREするということは、(家族や親しい人以外の)他人との関わりが希薄化するということ。
元から持っている人間関係の初期値には違いがあるにせよ、退職に際して人間関係が希薄化するのは避けようがありません。
それに対してどのような対応を行うかは、大きく分けて2通り。つまり、良しとするかしないかです。
薄くなった人間関係をそのまま受け入れるか、それとも新しい人間関係を作るか。
どちらの選択肢を選ぶかはその人の性格次第ですし、どちらを選んでも後悔しなければ優劣はありません。
FIREというのは自分自身の仕事、資産状況、人間関係・・・平たく言えば自分自身のあり方と選択肢の全てを見直すきっかけであり、色々なものを一度壊して組み立て直す手段でもあると考えます。
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FIREと趣味
次に、FIREと趣味について。
FIRE(セミリタイア)という生き方は、「今やっている仕事が嫌だから」という後ろ向きな理由よりも、「今の仕事よりもやりたい何かがあるから」という前向きな理由の方が成功しやすい(≒幸福になりやすい)傾向があると思います。
ただしその「やりたいこと」というのは、具体的に何かこれと決まっている必要はありません。
私の場合も、仕事を辞めて京都の町並みを散歩したり食べ歩きしたり、温泉やサウナに行ったり、ブログ書いたり様々な情報を集めたり、レトロゲームもいいよねーくらいのぼんやりとした「やりたいこと」でした。
結果としてFIREして時間が余るどころか、時間はまだまだ足りないあたり、これまでのところFIRE生活は成功していると言えるのでしょう。
そんな経験から言わせていただければ、FIRE後の趣味で重要なことは二つ。それは
「複数の趣味、それも外向け(活動的な趣味)と、内向き(籠もってやる趣味)の各1種類以上を持つ」
「他人がいなくても完結する趣味を持つ」
だと考えています。
私の現在までのFIRE生活がうまくいっているのも、この両方をクリアしているからだというのが自己分析です。
なぜ、自己完結の趣味が必要なのか
先の「他人がいなくても完結する趣味を持つ」がなぜ重要かは、記事の前半で書いた「FIREすると他人との関わりが希薄化する」ことと関係があります。
希薄化した人間関係に危機感を抱き、無理矢理関係を作ろうとしてもうまくいかないどころか、下手をすると身の破滅(は言い過ぎですが、色々な問題)を招くことになりかねません。
そうでなくとも他者との関係は、FIRE民同士ならともかく一方だけFIREしているとなれば、色々と軋轢を生もうというもの。
偶然によらない、かつ無理のないFIRE(FI)をしていると「お金は大事」と同時に「お金は何とかなる」という考えに至るので、それほどお金に対してシビアでは無くなる傾向があるのですが、一般の関係においては何だかんだ言ってお金は魔物です。
だから(家族以外の)他者を巻き込まず自分たちだけで完結できる趣味を持つことが、FIRE後の生活の安定には重要な要件だと考えているわけです。
最後に、絶対にオススメできないFIRE
それと一つ、重要なこと。絶対やってはいけないFIRE。
それは「独り身かつ趣味がない場合のFIRE」です。
この場合FIREして他者や社会との関係を希薄化させることは、誇張抜きに命に関わる病気となり得ます。他者や社会と隔絶して生きられる世捨て人など、現代社会においてそう多くはありません。
だからこの場合、まずは家族か気の置けない仲間、そして趣味を見付けるまではFIREしないでおくのが得策だと思うわけです。それはある意味、「FIRE後の人的資本」と呼べるものなのではないでしょうか。