今回はクラウドファンディングではないのですが、クラウドファンディングに近しい投資商品の紹介です。
サービス名はHash Dash(ハッシュダッシュ)。新しいデジタル証券の仕組みを用いた商品となります。
<目次>
Hash Dash(ハッシュダッシュ)とは?
【Hash Dash(ハッシュダッシュ) 公式サイト】(広告リンク)
公式サイトによると、「Hash DasHは、安定収益で好利回りを目指す新しいデジタル証券」とのこと。
ここで言うデジタル証券というのは、ブロックチェーンで管理される有価証券のこと。分かる方にはST(セキュリティ・トークン)の方が通りがいいかもしれません。
デジタル証券は原理的にあらゆるものを証券化・小口化することができます。その対象は不動産だけではなく船舶や航空機、貴金属や美術品などにも及び、そこに投資対象があればデジタル証券化することで小口化され、これまでは個人が手出ししにくかった投資商品へのアクセスが可能になります。
(ただし当然ですが、個々の投資商品により不確実性も生じます)
デジタル証券(ST)は当ブログでメインとして取り上げているクラウドファンディングではないのですが、「ネットを通じて不特定多数から資金を集め投資を行う」という点においてはクラウドファンディングと共通するところがあります。
デジタル証券は「投資の小口化・個人化」のための手法の一つと言えるでしょう。
またデジタル証券は2020年に金融商品取引法で認められた商品であり、金融庁の管轄となっていて定期的な情報開示が義務となるなど、透明性が高い点も特徴の一つです。
運営会社について
Hash Dashを運営するのは「Hash DasH株式会社」であり、その主要株主は金融持株会社の「Hash DasH Holdings株式会社」。両社のCEOは「林 和人」氏です。
林氏は最初は岡三証券に勤め、その後中国株専門ネット証券の「ユナイテッドワールド証券(現在は野村AM)」、日本初のスマートフォン専業ネット証券「ワンタップバイ(現在はPayPay証券)」などを設立し、今に至るとのこと。つまりは新しもの好きの証券畑の方と認識しました。
(引用元:https://www.hashdash-group.com/company/profile.html)
Hash DasH Holdings社の主要株主には東海東京FHD、LIFULL、フェイスネットワーク、青山財産ネットワークスなどの名前が並び、金融+不動産+ブロックチェーン界隈からの支援を受けていることが窺えます。
(引用元:https://www.hashdash-group.com/assets/pdf/public_fiscal_20230331.pdf)
決算は現在は赤字ですが、これは設立間もない会社なので仕方ないことでしょう。
まとめて言えば「新進気鋭のベンチャー」であり、現在において問題となる点は特にないと思われます。
デジタル証券の特徴と所感
デジタル証券化された投資商品の特徴は、大本の投資商品によるところが大きいですが、デジタル証券ならでは以下のような強みがあります。
①分割しにくい資産や、これまでは機関投資家向けであった資産でも分割可能であり、小口投資ができる。
②財産価値に裏付けられた資産を投資対象にすることで日々の値動きが激しくなく、安定的な運用が可能になる。
③オンライン完結で購入だけではなく売却も可能。
*ただし③については、取引約定を保証するものではない点に注意。
個人的な所感としては、金商法に基づく透明性という点も評価しますが、それよりもこれまでにない投資対象を小口化し個人投資家がアクセスできるようになるという将来性に魅力を感じています。
クラファンでも小口化は可能ですが、不動産投資型では不動産しか扱えず、融資型は基本的には担保をとっての融資であり、担保そのものに投資ができるわけではありません。この点のブレイクスルーになってくれればと思います。
逆に言えば、これまでと同じ投資対象にとどまる限りSTである必要はあまりないかと思いますが、今後サービスが発展していくにつれて新しい投資対象が増えてくることを期待し、新しもの好きの私はサービスに登録してみます。