先日、「みんなで大家さん」が行政処分を受けたというニュースが入りました。
少し時間が経ちましたが、本件についての簡単なまとめと私の所感を記事にしたいと思います。なお黒ウサギの出番はあんまりないと思います。
<目次>
経緯と状況
2024年6月17日、「みんなで大家さん」及び「都市綜研インベストファンド」が不動産特定共同事業法に基づく行政処分を受け、6月18日から30日間一部業務の停止が命じられました。
(東京都の処分内容)
www.metro.tokyo.lg.jp
(大阪府の処分内容)
www.pref.osaka.lg.jp
直接のきっかけになったのは成田空港周辺の開発プロジェクトで、このプロジェクトの事業プランがインバウンド向け観光拠点から食品産業の拠点に変更されたにも関わらず、出資者に対する説明が不十分だったというもの。
それ以外にも開発許可を受けていない土地を受けていると誤った記載をしたり、契約変更があるにも関わらず期日までに申し出がなければ変更に合意したものとするなど、様々な理由があるようです。
(ちなみに本プロジェクトですが、優先出資290億6,000万円に対し、営業者の劣後出資72億6,500万円です)
その後の動き
行政処分の情報を受け、当然ながら出資者からの譲渡契約の申し出(営業者に買い取りを請求するもの)が連発したらしく、翌6月18日はみんなで大家さん、及び都市綜研インベストファンドの両社が譲渡契約の締結を一時的に停止するとのお知らせを公開しました。
さらに6月20日には、みんなで大家さんの公式サイトに「業務停止処分の効力の停止に関するお知らせ」が掲載。
大雑把に言うと「突然の業務停止は影響が大きすぎる」との同社の請求に応じ、裁判所は「この件について第一審判決が確定してから7日後までは処分を停止する」との決定を下しました。
(無論、業務停止処分そのものが消えたわけではありません。あくまでも猶予です)
(ちなみにこのお知らせ、当初は「当社の主張が【全面的に】認められた」と書いていたところ、途中から「当社の主張が認められた」にトーンダウンし、さらに代理人弁護士が黒塗りになってるんですね。いえ何がどうとは言いませんが)
いろいろと所感
当初から様々な噂があったみんなの大家さんですが、それでも自転車操業だけで営業を続けられるわけがありません。そんなことをしたら、十数年も仕組みが保たないでしょう。
なので当初から全てが虚構だったわけではなく、相応に真っ当な案件もあり、そこそこ高いリスクの案件もあった中で、今回の成田プロジェクトが事業プランが変更(正確に言えば、当初のインバウンド向け観光拠点計画は第二期事業計画での実現を目指し、第一期では食品産業の拠点を開発することにした)になったことで様々な問題が表面化し、行政処分につながったというところでしょうか。
私は投資しているわけではないので、今後本件がどうなるか軽々に物を言うことはできませんが、問題が本案件のみにとどまり他へ波及しないこと、そして本案件の問題が最小限でとどまることを祈念いたします。
なおみんなで大家さんの広告案件は私のところにも来ていたのですが、色々と思うところあって記事での紹介は控えていました。
こんなことを言うと「だったら最初から注意喚起しろ」とお叱りを受けるかもしれませんが、私は個人の考えを確たる証拠もないまま否定記事を書き連ねるとか、こんなことが起きてからしたり顔で「ほら見たことか」と主張するような性格ではないので、その点はご容赦を。
そんな性格だったら今ごろワイ、クラファン関連でYouTubeやったりサロン作ったりしてますわな。
再掲:投資の目的
個人にとっての投資の目的とは、何でしょうか。
ちょっと下にスペースを開けますので、良ければ自分なりの答えを出してみてください。
個人の投資の目的は徹頭徹尾、自分と家族のための資産構築であり、それ以上もそれ以外もありません。
これには異論を認めません。
投資の目的は損失を出さないことでもなく、手数料や手間を最小化することでもなく、ましてや誰かと競い合うようなものでもないということです。損失を出さないことや手数料・手間の最小化は、投資の目的ではなく手段に過ぎません。競い合うことに至ってはただのスパイスです。
投資の確固たる目的を自分の内に持つことは、投資手法や銘柄選びよりよほど重要です。
投資とは自分の資産を、適切なリスク(=不確実性)に晒してリターンを得る行為。不確実性に晒した時点で、投資により損失が発生するのは当然のこととして覚悟しなければなりません。
投資で損をしたくない、失敗したくないと考える人は多くいますが、どうせ人生は数限りなく失敗するんですから、投資でだけ失敗したくないとは都合が良すぎます。
大やけどをしない程度に失敗して経験を積み、投資だけではなく収入アップやその他の方法も考えつつ、自分が目指すゴールへ向けて歩んでいけばいいだけです。