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凡人のFIRE戦略、についての一考



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X(旧Twitter)界隈では定期的・・・もとい常習的にFIREについての話題が持ち上がり、様々な意見が交わされます。

つまりはそれだけ人気で皆が関心のある話題だということで、今回は「凡人のFIRE戦略」について書いてみます。内容的に一部自分語りが入ることはご容赦を。


<目次>

 
 

夢から覚めろ


記事の始まりは、Xでは良くありますがFIRE関連でのとある炎上。

炎上はただのきっかけなので重要ではなく、それでふと思いついたことが今回の記事の発端です。


FIREした人の話がネット記事などで取り上げられると、そこには様々な(大半はネガティブ方向の)意見が寄せられるのが世の常です。

「年収が多かったから」「投資で成功したから」「実家が太かったから」など収入側の意見や、「人生の楽しみを犠牲にしている」「そんな節約は誰もできない」「生活が楽しくなさそう」など支出側の意見など 雑多 多種多様なコメントが飛び交います。



そう考えると多くの人が求めているのは、

「家庭を持ち生活を楽しみ多少は散財しつつ、凡人でもさほど努力せずにFIREできる再現性のある方法」

なんでしょうね。


夢から覚めろそんなものはない。


上記のような甘々な条件で達成できるFIREであれば、今ごろ日本の社会にはより多くのFIRE民が出現しているでしょう。

そしてFIRE民が増えれば増えるほど働き手や税収入は減少し、結果として様々な社会的コストが増加します。その対応策として社会や税の仕組みは変化し、結果としてギリギリFIREしていた層が振り落とされるのも自然なことです。


ところが事実としてそうなっていない。ギリギリFIREした層が断念する例はあっても、それはどちらかと言えば相場環境の問題であり税や保険の問題ではないことが大半です。

つまり逆説的に、一般の人にとってFIREの難易度は決して易しくないということです。


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小手先、模倣するべからず


FIREについてもう一つ、それはFIREへ至る道は様々でありモデルケースのようなものはほぼない(*)ということです。

FIREへ至る人の絶対数がまだ少ないのでモデルケースの作りようがないとも言えますし、そもそもFIはともかくREはしてもしなくても良いのですが。


私は数年前に「1億円貯めた人の投資戦略」というマネー雑誌の記事で取り上げられ、高配当株の一種(あるいは突然変異種)として登場したことがあったのですが、その際記事に「達成した後じゃなくてそこまで至る道を紹介してほしい」というコメントがいくつか寄せられたことがありました。

ただ残念ながらFIREへ至る道は千差万別であり、私のケースを話したところで他人の参考はあまりならないでしょう。年代も職業(職種)も経歴も投資手法も異なれば、そこにはまったく異なるFIREへの道があるのが自然です。


資産を為した方々について何か参考にすべきものがあるとしたら、それは資産構築に至る具体的な方法ではなく抽象的・根本的な部分です。


例として、私が周囲を見渡して財を為していると思われる方々には、いくつかの共通した考え方があるように感じています。


その一つは「他責にしないこと」。


雨が降っても自分のせい。郵便ポストが赤いのも自分のせい。配られたカードで勝負するしかないし、この世の不都合は全て当人の能力不足。他責にして解決することなど何一つないということを、為した方々は誰よりも良く理解しているように思います。

これはあくまでも一例に過ぎず、他にも様々な共通点が見つかるかもしれません。FIREを(少なくともFIを)目指すのであれば、真似るべきは小手先の手法ではなくこういった根っこの部分ではないでしょうか。
 
 

凡人のFIRE戦略


 ソーシャルレンディング投資記録


具体的手法の一つも書かなければただの説教臭い記事になってしまうので、タイトル回収ということで私のような凡人がFIREするための戦略を書いてみます。

なお当然のことですが、あくまでも私見ですのでその点はご了承のほどを。



先に書いた通り一般の人にとってFIREは易しくない道ですが、凡人であってもFIREする方法はあります。


それは、人生において捨てるものを選ぶことです。


平凡な才能と平凡な努力で、平凡に手に入る人生の幸せを全部享受した上でFIREしたいという考えは、現代においては虫が良すぎます。そもそも人の欲望や幸せは千差万別なのですから、世間が言う「普通の幸せ」に引きずられる必要はどこにもありません。

FIREを着実に成し遂げるためには実績と時間の掛け算が必要ですから、もし日々の幸せを余すことなく享受した上でFIREしたいのであれば、長い時間をかけるか(その場合REと言えるか微妙ですが)、もしくは非凡な実績を残して資産を構築するほかありません。


FIREしようがしまいが優劣はないわけですし、自分の人生の責任は自分しか取れないのですから好き勝手にやればいいと思います。ただ、無い物ねだりは無理筋でしょう。


それからもう一つ。

FIRE界隈において時々耳にする、「仕事が嫌いだからFIREしたい」というのは正直なところオススメしません。

先に書いたとおり、FIREは実績と時間の掛け算です。そして勤め人の範疇で言うなら仕事が好きだからこそ自己研鑽に励み、実績を上げ高収入になることができるわけですから、FIREした人の現役世代はむしろ仕事が好きだったケースが多いのではないでしょうか。


仕事が嫌いで実績を積めなければ、FIREは遠ざかります。そして一足飛びにFIREしようとして高リスク商品に手を出し、大半はもっとFIREを遠ざけるハメになるわけです。


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遠くにありて思うもの


以上、実に夢のない記事になりましたが、FIREを志すなら見るべきは夢じゃなくて現実なので何の問題もありません。むしろ真っ当な記事と言えましょう(自画自賛)。


名言の多いとあるマンガから、FIREへ至る道にも通じる言葉を引用します。

 

車を運転する時見るのは道とメーターと状況だ。
どんな目的地であっても「見る」のは「それ」だ。
夢を見ていたら居眠り運転じゃないか。

 

ただしだからと言って、FIREという目標を全力で見続け邁進するのもあまり勧めません。一意専心も度が過ぎると盲目に通じ、足下を掬われることにもなりかねないからです。


前にも書いたことがありますが、FIREという目標は薄目でぼんやり眺めるくらいでいいんです。

確かな視線は足下に据えて日々の生活を歩み収支を見直し、気づいたらFIREのゴールテープが目に見えるところに来ていたというのがあるべき姿でしょう。


FIREは、遠きにありて思うもの。

それが結果として、FIREに失敗し「そして悲しく歌うもの」にならないコツだと思うわけです。




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