ここしばらくはクラウドファンディング投資がだいたい順風状態ですが、そんな時にこそ損失が発生したケースを考えておく必要があります。
今回はそんな話題。クラファンにおける「損失」をどう捉えるか、私なりの考えです。

<目次>
機会損失は投資損失より大きい
クラウドファンディングのリターンは大まかに言って、「投資金額×平均利率」に比例します(あくまでも大まかです)。
そのためクラファン投資で効率的なリターンを狙おうとするのなら、手元にある資金をなるべく速やかに再投資することが重要になってきます。投資するファンドを決める際はもちろん詳細も確認しますが、私の場合は投資するファンドを十分に分散することを最も重要視しています。
そして私が10年以上クラファン投資をやり続けた経験から言うと、十分かつ適切に分散された場合クラファン投資のリターンは常にプラスになります。少なくとも1年を通して投資成績がマイナスになった年度は存在しません。某MI社とか某TR社とか、某MA社系列などの損失が炸裂した年度においても、です。
つまりクラウドファンディング投資においては経験上、投資した案件から発生しうる損失よりも、投資しないことによる機会損失の方が大きい(*)ことになります。
*ここではクラウドファンディング投資に投下した資金のみを話題にしているので、他の投資と比べてどうこうという議論ではありません。
数字は適当ですが、私はリターン3%デフォルトほぼ0%よりもリターン5%デフォルト1%を選びますし、リターンが7%あればデフォルトが2%あっても構いません。簡単に言えばそれだけのことです。デフォルトしたらしたで、それは記事ネタになっておいしいですし。
分散が重要になる理由
クラウドファンディング投資では十分な分散が重要と書きましたが、その理由は単純です。
なぜなら、投資において損失は回避不能だからです。これだけは絶対の事実であり、クラファンで言えばどれだけ利回りの低いファンドに投資しようとも、将来にわたっての損失を防ぎきることはできません。
そしてクラウドファンディング投資における損失は、他の投資商品とは少し趣が異なります。
クラウドファンディング投資は日々の値動きがなくリスクが顕在化しにくい分、リスクが顕在化してしまった時点で損切りすることはできません。またクラファン投資の収益は確定利益であるように、クラファン投資の損失は確定損失です。
つまりクラファン投資においては、損失の発生確率が低くとも損失の未然防止が難しく影響も大きいと言えます。
これはものづくりの現場で使用するFMEA(故障モード影響解析)で言うところの、RPN(リスク優先度)が高くなる傾向があることを意味するため、クラファン投資において損失を軽減する分散の重要性は通常の投資よりも高まるという結論になります。
クラウドファンディングに関する言及で、時々「安全な案件を選んで投資すればいい」と言った内容を目にしますが、これは単なるユートピア(実現不可能な理想)です。
詳細は下記の記事で詳しく説明していますので、お時間があればあわせてどうぞ。
(参考記事)
www.sallowsl.com
雑所得だからこその強み
もう一つは税制について。クラウドファンディングの所得は、一般には不利な税制と言われる雑所得になります。
しかし不利な仕組みでも、結局は使い方一つ。私はクラファン投資に本腰を入れようと思った時から、収益が雑所得であることをどう利用するかを考えてきました。会社員時代、難易度LUNATICな業務に単騎で放り込まれた時を除き、人生で一番頭使った時期だったかもしれません。
その結果の一つが「雑所得の闇鍋方式」です。私はクラウドファンディング投資以外にいくつか、手すさび程度のマイクロビジネスを持っています。これらのビジネスはとても事業収益規模には達さないため、雑所得として申告しています。
雑所得は他の所得とは損益を通算できませんが、雑所得の中であれば相殺は可能。つまりそういうことです。
もう一つ、クラファン投資が雑所得であることの強みは「損失発生時」に発揮されます。
例えば私は今年の5月、クラウドリースでの損失が確定し180万円ほど吹き飛ばしました。
これを「コツコツドカン」と揶揄する人もいるかもしれませんが、私に言わせれば「コツコツコツン」に過ぎません。実際、180万円の損失は4ヶ月ほどで取り戻したわけですから。
また損失が発生した瞬間の数字上は180万円の損失ですが、実際は確定申告を行うことにより源泉所得税(20.42%)が還付され、住民税(10%)と社会保険料(約13%)が減額されます。つまり損失の半分弱は何らかの方法で戻って来るわけです。
雑所得で取られるものも多い分、損失が発生した場合の還付も厚い。あまり知られていないことかもしれませんが、クラウドファンディング投資にはこんな特徴もあります。
まとめ:含みと確定
どこかのファンドで遅延や損失が起こると騒ぐ声が大きくなりがちなのは、クラファン投資が比較的若い投資商品であること以外に、遅延や損失が顕在化してから回避する方法がなく、かつ株のように塩漬けにして値上がりを待つことができない確定損失であることも理由の一つでしょう。
しかし一方でクラファンの利益は、株のように含みではなく確定利益です。利益が含みなら損失も含み、利益が確定なら損失も確定。それでこそ公平というものです。
そして確定利益・確定損失の投資手法を選んだのは自分ですから、保有株が値下がりするのが自己責任なのと同じく、ファンドが遅延・損失するのも自己責任に他なりません。クラファンも他も投資であることに変わりはないので、利益を自分だけの物にしたいのなら損失も自分だけの物にする必要があります。
最初の言葉の繰り返しになりますが、ここ最近はクラウドファンディング投資が好調だからこそ、損失が起こった時の事を考える必要があると思います。
クラファンは値動きがなく一見安定しているように見えますが、それはリスクが潜在しているだけです。そして一度顕在化したリスクから投資家は逃げられない投資であるため、クラファンにおいてリスクは回避不可能であり分散がより重要になってくるというのが、私の結論となります。



