私事ながらこのたび、金融の専門ウェブサイト「MONEY INSIDER」にインタビューが掲載されました。
内容の紹介と個人的な追記を、記事で書いていきたいと思います。
<目次>
MONEY INSIDERに掲載
このたびご縁ありまして、MONEY INSIDERにインタビューが掲載されました。
タイトルは「氷河期世代でもFIRE達成! "純資産1億円"を築いた元技術者が明かす「常識破り」な4つの戦略」です。
(一般的に見ればFIRE自体が常識破りなのかもしれませんが、それはさておき)
Yahooニュースにも掲載されてました(中身は一緒)
インタビュワーはXで仲良くさせていただいている九条(@kuzyofire)さん。
ブログ「FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記」を更新中です。
インタビュー記事のポイントと、インタビューに書くほどでもないけど個人的に追記したい点、あるいは所感について以下で書いていきます。見出しはインタビューの見出しと合わせていますので、インタビューもどうぞご覧下さい。
「社内での代替不可能性」を構築せよ
彼は自らを「何でも屋」と称し、技術、英語、法律知識などの複数のスキルを掛け合わせて社内で代替不可能なポジションを確立。特に貿易業務を「属人化」することで、他の誰も手を出せない領域を作り上げた。
以前に記事で書いたことがありますが、よほど小さな組織でもなければナンバーワンになることは難しいですし、なおのことオンリーワンになることは不可能です。
しかしスキルの掛け算を行えば、オンリーワンには遠くとも「あいつがいなくなると代わりを探すのが面倒」という立場くらいにはなれます。
そして掛け合わせたスキルで他の人がやりたがらない(≒あまり評価されない)業務を属人化&ブラックボックス化、さらにそれとなく周囲に働きかけて業務領域を拡大し、外には便利屋と思わせておいて実際はある業務における大きな権力を握るというのが、私のFIRE戦略の一つでした。
私が辞める時に初めて私の業務領域が事業所全体に及んでいることを知った上司が、低い声で「おまえなんでそんな仕事までやってるんや」と呟いたのを聞いた時の心情は、ブラックジャックの「それが聞きたかった」状態でした(漆黒ウサギ)
(参考記事)
www.sallowsl.com
「大儲け」の瞬間に気づいた逆説
株式投資で大きな成功を収めた瞬間、多くの投資家なら歓喜するところだが、SALLOWさんは違った。
政権交代で大きく張り、黒田バズーカの際に売り払うことで、まとまった利益を得ることができました。
記事では「大きな成功」と表現いただいてますが、実際は無リスク資産を合わせた全財産でダブルバガー程度です。そして疲労感が襲ってきたのは誇張なしに本当です。
確かその際は3,000万円が6,000万円になるくらいだったと記憶していますが、FIを達成するには6,000万円ではまったく足りません。少なくとももう1回倍増させる必要があるでしょう。
となると自然、もう一度この取引と疲労感を味わうことになるわけです。しかも今度は元本倍で。
「オマエやれんのか?」と自問したところ秒で「絶対無理」と心の声が返ってきたので、別の投資手法を模索してクラウドファンディング投資にたどり着きました。
「人生逆算型」のマネープラン
彼の事例は、投資の手段や手法よりも「なぜ」「何のために」投資するのかという根本的な問いを先に解決することの重要性を示している。
蛭子能収氏の名言で「好きなことが見つからない時は、とりあえずお金を稼ぐんですよ」というものがありますが、最初はそれで良いと思います。何をするにも元手は必要ですから。
その上である程度お金が貯まってきたら、最初にやるべきことはライフプランとマネープランの構築です。どんな暮らしをしたいか、そのためにはどのくらいの資産が必要か、そのためにはどのような手法で収入を得るのかを考えてから、資産構築の一手段として自分に合った投資手法を組み入れるべきです(*)。
*私も最初は何気なく投資を始めたクチなので、この点は過去の私への自戒を込めています。
私はかなりコンサバなマネープランを立てて1年間実証実験を行い、その上で会社を辞めることを決断しました。
それから3年半、相場は様々なプチショックがありましたが私の資産は順調に増えているので、今のところプランは正解だったのでしょう。もちろんこれから先に想定外の出来事が起こる可能性はありますが、その時はプランを見直すだけのことです。
「250ファンド・45社」への徹底分散
この徹底した分散投資の姿勢は、投資の基本原則「卵は1つのカゴに盛るな」を、クラウドファンディングという新しい投資領域に適応させた好例だ。
先に言いますが、ここまで分散するのは煩雑すぎて人に勧められるものではありません。そもそもクラウドファンディング投資自体、他の投資商品と異なる性質を持っているため万人向けではありません。
しかしその煩雑さ、そしてクラウドファンディングは税制上雑所得になるという不利な点をケアできれば、一部の刺さる人には刺さる投資になると思います。
皆が真似できる投資は、偏差値50を狙う投資。それは妥当であっても最適ではありません。
最適な投資手法はその人の好みや特性、あるいはライフステージによっても変化します。なので最初から投資の最適解を求めるのではなく、様々な投資を経験してたまには擦り傷も負い、自分に合った投資を探していくことが必要なのだと考えます。
#FIREの本質
「氷河期世代」という逆境を経験した彼は、徹底した自己責任論を身につけた。
私に限らず氷河期世代をなんとか生きてきた人、そして氷河期世代に限らず成功している人の多くは、自己責任論が徹底されていると感じています。ちなみに自分自身ではこんなものは徹底した自己責任論でもなんでもなく、大の大人だったら当然身につけておくべき一般常識でしょ? くらいにしか思ってません。
雨が降っても自分のせい。ポストが赤いのも自分のせい。
なんなら、自分のせいでなくとも自分のせい。
結局のところ世の中は、自分の責任・行動によるかどうかに関わらず自分に起きたことは自分で始末を付けなければいけません。自己責任なんてまだまだ甘い言葉です。
投資の世界で言うなら、騙す方が悪いのはあたりまえです。
しかし騙すことは悪いことだ、けしからんことだといくら言ったところで世に盗人の種は尽きまじ。騙す方は当然罰を受けるのが相当ですが、それはそうとして騙された結果は自分で引き受けなければなりません。善悪の所在と結果責任は別物です。
(関連記事)
www.sallowsl.com