不動産投資型クラウドファンディングの「LEVECHY(レベチー)」の記事です。
募集中の22号ファンドの紹介と、延長中のファンドに関してちょっと苦言を。
<目次>
LEVECHYファンド22号
LEVECHYで募集中の22号ファンドです。
・LEVECHYファンド22号
募集期間:2025/8/29 11:00~2025/9/11 23:59(抽選式・後入金)
予定年利:8%
予定運用期間:12ヶ月
募集金額:9億6,758万円
保全など:優先劣後方式 劣後出資約5%・借入有り

「LEVECHYファンド22号」は港区芝浦にある、地上7階建のオフィスビル1棟が対象。
限定情報からビルのテナントを調べると、一般企業の他オフィススペースレンタル、保育園などが入居していました。
本ファンドはこの対象物件を購入・売却するもので、山手線沿線でかつ約187坪の敷地を有するビルであることから、リノベーションを通じて付加価値を高めようとする開発事業者への売却をメインストーリーとしています。
なお地価を調べたところ、本物件の近くの公示地価は平米あたり約500万円。本物件は約620平米の土地なので、土地代だけでも3億円以上の価値が見込まれることになります。
本ファンドは借入を含みます。借入先や条件についてはログイン後の契約成立前交付書面に記載があります(「借入」で検索すると探すのが楽です)ので、投資する前には一読されることを推奨します。
キャンペーンと投資判断

LEVECHY22号ファンドでは、最大3%のキャッシュバックキャンペーンが実施されます。
LEVECHYファンド22号に10万円以上の投資が確定すると、その投資額に応じたキャッシュバックが得られます。
キャッシュバック率は10~50万円未満で1%、50~100万円未満で2%、100万円以上で3%。キャッシュバックの付与時期は2025年12月中です。
(投資額とキャッシュバック率)

私は今手元資金の出入りがバタバタしていることや、下記の13号案件の結果を確認したいという思いがあって、本案件はとりあえず見送る予定です。
ちょっと苦言
さて、最初にも話しましたがここからはちょっと苦言。
私は事業者や個別ファンドにあまり悪いことは書かないのですが、これは一応言っておいた方がいいでしょう。
以前に延長されたLEVECHY13号(ニセコ案件)について、限定の情報を手に入れる機会がありました。
内容の詳細については話せませんが、投資家にとって重要なのは「ニセコ案件は一度手じまい(償還)し、再組成する予定」という点です。
一度想定外の理由により延長した再組成ファンドに資金が集まるかどうかは微妙なところですが、私としては少額で再投資して最後まで付き合おうと考えています。
13号案件が元本毀損無く償還されるのは良いのですが、投資家として手放しでは喜べません。
今回の件は「想定外の理由により延長したファンドを、当初ストーリーを変更して一度手じまう」という、考えようによっては損失補填に近いことをやっているからです。
ご存じの通り損失補填は投資の世界で御法度。こういうことが多発・常態化すれば、監督官庁が黙っていません。
実際、国土交通省から発表された不動産特定共同事業のあり方についての中間整理には、対象不動産を利害関係人に売却する際には鑑定評価額に即した売却にすることが検討されています。

(出典:https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk5_000001_00034.html)
利害関係人への売却価格を制限することは不当廉売の防止に有効ですが、同時にファンド終了時に事業者が物件を引き取ることも制限される可能性があります。これは両輪のようなもので、不当廉売は防止しても損失補填(のようなもの)は対象外にする、ということはあり得ません。
不動産投資型のクラウドファンディングは現物不動産やREIT、不動産STとは異なる性質を持つ投資です。たまには癖強の案件が出てくるところも魅力ですし、小口分散を武器にして癖強案件に個人が投資できるという類を見ない特性を持ちます。
そうした魅力や特性をスポイルしないためにも、特に開発案件を扱う事業者においては内部統制を充実させ、第三者からツッコミを受けないようきちんと管理していただけるようお願いします。さもないと自分で自分の首絞めることになりますし、誰も幸せになりません。

