黎明期のクラウドファンディングで起きた問題のうち、一つが片付く見込みとなりました。
2021年に破産手続きが開始されたグリーンインフラレンディングで、最後配当のお知らせがありましたので紹介します。
<目次>
破産管財人からのお知らせ

グリーンインフラレンディング(以下、GIL)からの破産管財人のお知らせは以下の通りです。
1. 最後配当の手続に参加することができる債権の総額 金 12,677,215,675円
2. 最後配当をすることができる金額 金 535,358,844円
最後配当の配当率は、4.223%です。
なお、上記1の金額に4.223%を掛けた金額が、上記2の額と一致しないのは、各債権者の配当額を算定するに当たり、小数点以下を四捨五入しているためです。
また、当職は、本年11月19日を目処に配当を実施することを予定しています。
本年11月12日頃、確定した配当額及び配当実施日を通知する予定ですので、当職の通知をお待ちください。
まずは破産管財人の方、業務とは言え決して楽しい内容ではなかったところ、長きに渡る対応お疲れ様でした。
GILからの配当は全部で3回あり、1・2回目がそれぞれ元本の8%、3回目が約4%。合計の回収率は20%程度となりました。
私の残り拘束資金は約206万円、今回の最後配当の金額は約11万円。差し引きで約195万円の損失となります(実際は過去の累積配当が約32万円あります)。
ここから確定申告を行うことで本年中の雑所得との間で損益が相殺され、私の場合ですと所得税約20%+住民税10%+国保約13%=約43%が還付もしくは軽減されることになり、最終的な損失は195万円×(1-0.43)-32万円=約79万です。
ところで前々から思ってるのですが、クラウドファンディングの損失発生時に確定申告で還付や軽減が行われることは、ブログや各種記事などであまり取り上げられません。これこそ重要な情報だと思っているのですが。
所感と今後の方針
GIL社の件は融資型クラウドファンディングの黎明期に起きたものであり、現在と状況は大きく変わっていることに注意が必要です。
今はクラウドファンディングに多くの事業者が参入し、特に融資型クラウドファンディングにおいてはSBISLやmaneoなどの事件をきっかけに金融庁からの厳しい監視が行われている状態で、市場の健全性はGIL社などの問題が起きた時とは比較になりません。
不動産投資型については昨今一部の事業者で問題が起きていますが、これまでの不動産投資型が順調すぎましたからある意味でストレステストのようなものだと考えます。様々な問題が発生し対応を行うことを繰り返して市場が醸成されていくのが本来の姿ですし、何より損失のない投資など(詐欺を除いて)この世に存在しません。
今回の件は高い授業料でしたが、投資方針は変わりません。
今後も分散を第一に様々なファンドに投資し、損失を回避するのではなく一定の損失を呑み込んだ上でリターンを追っていく方針を継続します。リターン5%損失1%とリターン7%損失2%なら、後者を選ぶのが合理的な選択でしょう。
個別のファンドではこれからも損失が発生するでしょう。しかし多少被弾したところで、クラウドファンディング投資全体でリターンを得られているのなら何の問題もありません。これが私の提唱する「クラファンのインデックス化」です。
この考えが正しいかは分かりませんが、これまで何回か被弾しつつ十数年にわたって投資を続け、クラウドファンディング投資を主軸にしてFIREしつつ今でも資産を増やしているのですから、一定の実績や信憑性は認められるんじゃないかと。
損失は楽しいものではありませんが、投資してるなら損失も当然と強がりを言えるくらいの覚悟が必要です。

