今回は投資を少し離れて、ワーケーションという名目の実際はホテルや宿紹介シリーズ。
今までの同シリーズ記事は下記をどうぞ。
<目次>
久しぶりの宿泊
今回紹介するのは、粟津温泉の「法師」。
ここは以前に一度訪れたことのある宿で、創業は実に奈良時代(西暦718年)、現当主は四十六代目という長い歴史のある宿。泰澄大師が白山大権現のお告げにより開湯し、弟子の雅亮法師に一軒の湯治宿を建てさせ湯守としたのが始まりです。
かつては世界最古の宿泊施設としてギネス登録されていたこともあります(今は別の旅館が登録していますが、その旅館も日本にあります)。
今回はサービスの付かない、気軽に泊まれる「湯治宿体験」で宿泊・・・したはずなのですが、チェックイン前の抹茶接待をしていただきました。左下のような広い和室で、庭を眺めながら抹茶とお茶菓子をいただけます。
また法師玄関前の道路の真ん中に植えられている木は、法師、ひいては粟津温泉の守り神とされている樹齢約400年の黄門杉です。
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エノキアン協会加入の宿
法師はエノキアン協会という、老舗企業の国際組織にも属しています。エノキアン協会の加入要件は
・歴史が200年以上あること
・創業者の子孫が現在でも経営者もしくは役員であり、家族が会社のオーナーもしくは筆頭株主
・健全経営を維持していること
という、かなり厳しいもの。
(エノキアン協会証明書。左は1637年創立の月桂冠)
エノキアン協会の加入メンバーは50数社ありますが、日本企業はそのうち10社。さらに法師はその中で最古・・・どころか、協会の中で法師の次に古い会社よりも800年弱昔からあるという桁外れの歴史を持つ旅館です。
見どころたくさんの内装と部屋
旅館 法師の大きな特徴は、内装にも部屋にも長い歴史に裏付けられた見どころが満載なこと。
例えば写真左上に映っている天井の梁は、正門の建築物の中でもっとも古いと聞いたことがあります。
それ以外にも写真左下の鬼瓦は、寛政年間に法師が増築した際に作られて以来、180年間ほど法師の屋根を守っていたもの。右下の大きな陶器の椀は、江戸末期の製作とのことです。
これ以外にも玄関には子ども以上の背丈の壺や、おそらく翡翠製と思われる布袋像など、玄関だけでも様々な歴史を感じさせる品物が多くありました。
今回宿泊したのはお構いなしの手頃なプランだったので、部屋はおそらくもっともリーズナブルな「湯治棟(夏の館)」だと思いますが、広縁が広く中庭が見える良い部屋でした。
これ以外に法師には部屋が様々あるので、中には皇族方や各界の名士の方々が滞在した登録文化財客室、延命閣に宿泊できるプランもありますのでどなたかレッツトライ。
北陸最古の温泉
(画像引用元:法師公式Web)
法師の温泉は、奈良年間に粟津温泉が開湯されて以降湧き続けている北陸最古の温泉。
粟津温泉の歴史はすなわち法師の歴史と同じです。
泉質はナトリウム硫酸塩泉で、男性大浴場「豊明」と女性大浴場「艶明」、さらに貸切風呂として「泰澄の湯・雅亮の湯」があります。
公式サイトによると、大浴場は芍谷石とインド砂岩を使用した作りで、温泉成分によって移り変わる石の色合いが有名だとか。「大浴場」の名前に相応しい、広々とした浴室でした。
(男性大浴場・豊明)
(画像引用元:法師公式Web)
食事と庭園
今回は湯治プランで、食事は夕朝食ともにお弁当形式でした。食事は宿のスタッフさんが時間になると持ってこられ、食べ終わると部屋の前にセルフで下げる形です。
失礼ながら最初はそこまで期待していなかったのですが、実際にはちょうど良い量でもちろん美味しかったです。
(上2枚が夕食、下2枚が朝食)
朝食後は、法師の中庭を散策。
こちらのお庭は蓬莱思想で作られたものとされ、蓬莱山を模した築山、心字池、不老長寿を象徴する鶴亀の石などもあります。
ちなみにいつ頃作られたものかは古すぎて記録が残っていないそうですが、公式サイトによるとおそらくは小堀遠州公(*)が原型を作ったのではないかということでした。
*徳川家光公時代の大名茶人。建築・造園の盟主として桂離宮、二条城二の丸御殿、南禅寺方丈庭園、龍安寺の石庭などを手がける。
(法師の庭園)
以上、世界最古の旅館の一つ・粟津温泉 法師の宿泊記録でした。
たまには投資を離れてこんな記事も書いていますので、良ければ他の記事ものぞいてみてください。