融資型クラウドファンディングの「LENDEX(レンデックス)」の話題です。
LENDEXは第三者が不動産評価をした高利率なファンドで人気ですが、特徴の一つとして「抵当順位別ファンド」というのがあります。
このファンドについて、私の選び方を紹介します。
<目次>
抵当順位別ファンドの例
抵当順位別ファンドは名前の通り、同じ案件で抵当順位が異なる複数のファンドを募集するものです。
今回、説明には下記の「ローンファンド278号」を例に取ります。
このファンドは不動産を担保にしており、「第1順位(7%)で6,400万円」「第2順位(7.5%)で6,100万円」「第3順位(8%)で5,900万円」の3案件が募集されています。
もし返済が滞った場合は不動産の売却などで返済原資を作りますが、その際に弁済が行われるのは「第1順位→第2順位→第3順位」という順番になります。
前順位の弁済が完了するまで、次の順位へ弁済が行われることはありません。
LTVは最大80%だけれど・・・
最初に私の選び方を言いますが、私ならこのタイプの案件はほぼ確実に、利率が低くとも「第1順位」を選びます。
特に今回のように、第1・2・3順位で利率が各々0.5%しか変わらないのなら、第1順位一択です。もし各々で2~3%の開きがあるのなら、少し考えますが。
というのも、LENDEXのファンドの融資額は「LENDEX独自の査定額と第三者の調査価格とを比較して、低い方の80%を上限に設定して」いますが、抵当順位別ファンドの場合は以下のような仕組みになるからです。
*なおここでは、融資額は上限の80%であったと仮定しています。
どの案件でも対象物件は同じですが、どれか一つの案件に投資する分には、それぞれ独立の案件を見なすことができます。
そうすると本案件は「利率8%でLTVは80%」、「利率7.5%でLTVは約54%」、「利率7%でLTVは約28%」という3つの案件に分解することができます。
こういった観点から、私は第1順位の抵当権を選ぶことにしています。
売却「予定」は「決定」ではありません
ところでローンファンド278号の案件説明には、以下のような一文があります。
※当案件は無担保・有保証・登記留保扱いです。
対象物件は売却の契約予定であり、1カ月以内の引き渡しを予定しておます。
延期される場合は抵当権設定を行い、不動産事業者が取得する不動産を担保として、抵当権「第一順位」に設定いたします。
この案件は募集時には無担保(留保扱い)です。理由は物件が近日中に売却予定であり、無担保である以上は抵当権の順位は関係ありません。
それだったら高利率でもいいじゃないか、という意見はあると思いますが私の意見は異なります。
不動産の取引は事情によって延期やキャンセルが普通に起こるものだと思うので、今は「近日中に売却予定」であっても、抵当権が設定された場合を想定すべき、というのが私の考えです。
事実、私が投資していた抵当順位別の「ローンファンド261号」は、売却契約が延期になったために抵当権が設定されたそうです。