株式投資型クラウドファンディングの「ユニコーン」から、新たに募集される案件の紹介です。
今回の案件はアグリテック(農業×IT)分野です。
<目次>
ファーマーズサポート株式会社
ユニコーンからの第28号案件となるのは、アグリテック領域のベンチャー企業、「ファーマーズサポート株式会社」。
アグリテックとはAgriculture(農業)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、AIやIoTなどを活用することで、農業の課題解決を目指す分野のことです。
ファーマーズサポート社は2017年9月に創業、2017年10月から2019年2月まで技術実証を行い、牛の分娩予兆お知らせシステム「MOOVIE(モービー)」をリリースしています。
これまでにVCからの出資実績として、2019年に鹿児島銀行の出資ファンド、2021年に宮崎太陽キャピタルの出資ファンドから投資を受けているとのことです。
課題と解決方法
今回の技術により解決を目指す問題は、子牛の分娩事故、あるいは分娩後に子牛が死亡するケースです。
十勝NOSAI(十勝農業共済組合)によると、2019年の分娩頭数の8.6%、11,500頭あまりで胎児死が起きているとのことで、この監視や予防のため畜産農家は分娩が近づくと頻繁に牛舎を見回っており、多大な負担がかかっているとのこと。
これを解決するのが「MOOVIE」で、牛舎からのデータを人工知能に送り、分析結果を通知することで必要な時だけ牛舎に駆けつけるようにすることで、農家の負担を減らすことができます。
実証実験を繰り返すことで、異常検知精度は90〜95%(ファーマーズサポート調べ)となっているとのことです。
今後の予定
ファーマーズサポート社は今後、分娩予兆検知システム「MOOVIE」をさらに拡大することが予定されています。
具体的には2021年10月頃には雌牛の発情行動を検知するサービス、2022年春頃には子牛見守りサービス、2023年1月頃には肥育牛見守りサービスをスタートさせる予定です。
目標は2026年にシェア40%、2025年3月期のIPO(新規株式公開)。
2026年のシェア40%(母牛50頭以上飼養している農家の40%)はなかなかチャレンジングな数値ですが、さてどうなることでしょうか。
株式とプレバリュー
ファーマーズサポート株式会社の資本金は2,890万円、発行済み株式数は4,608株。
募集要項は1株15,000円なので、今回のECFによる資金調達におけるプレバリューは6,912万円、ポストバリューは最大で8,406万円となります。
事業計画がかなり野心的であること、主要株主のうちVCが占める割合が50%を超えているところがポイントになるかと思います。