面白い融資型案件が目にとまったので、紹介したいと思います。
貸付先のパッケージ化、及び、通常は不動産投資型クラファンの仕組みである優先劣後構造を融資型に適用した案件です。
<目次>
主要エリア限定不動産#2
今回紹介するのは、SAMURAI FUNDの「主要エリア限定不動産#2」です。
・主要エリア限定不動産#2
募集予定:3/23 12:00~
予定年利:6.0%
予定運用期間:15ヶ月
募集金額:5,000万円
保全など:不動産担保+代表者連帯保証+優先弁済条項(後述)
不動産事業者に対する貸し付けで、保全としては「不動産担保+代表者連帯保証+優先弁済条項」の3つがあります。
前者2つは良くある内容なのですが、優先弁済条項については通常の融資型にはこれまでありませんでした。以下、内容を紹介します。
融資型版の「優先劣後構造」?
不動産投資型クラウドファンディングには、保全を高める仕掛けとしての「優先劣後構造」があります。
これは投資家と同じ案件に営業者も出資を行い、万一損失が出た場合には営業者の出資分から損害を受けることで、結果として投資家の出資金を保護する、という仕組みです。
今回のファンドにある「優先弁済条項」というのは、この優先劣後構造と似た仕組みです。
営業者の「SAMURAI ASSET FINANCE社」が自己資金により投資家と同じ相手に貸付を行い、かつ万が一の場合には自己資金の貸し付けよりも投資家の貸付が優先して弁済される条項を付けることで、出資金の保全力を高めるというものです。
全体の貸付額に対して投資家の出資金が90%上限であることから、実質的には営業者による10%の劣後出資が行われ、元本が守られているということになります。
ファンドの所感など
本ファンドはパッケージファンドの性質もあり、運用開始後に個別貸付先が決定され、複数の貸付先に資金を分割してファンドを組成します(*1社になることもあるそうです)。
優先弁済条項が付いていることは保全の面から見て好評価ですが、個人的には不動産担保のLTVが最大100%(ファンド説明にある「運用上限額を担保不動産の査定額以下」という文面からの推測)である点が少し気に掛かります。
営業者との利害一致は優先弁済条項でOKとして、不動産は不動産で掛け目をもう少し減らし、ダブルで保全を付けておいた方がいいのではないでしょうか。結果として利率は低下するかもしれませんが、個人的にはそういうファンドの方が好ましいと思っています。
*あとこれは余計なお世話でしょうが、SAMURAI FUNDは今後のことも考えて、maneoのプラットホームを彷彿とさせるデザインからは手を切った方がいいと思います。