株式投資型クラウドファンディング(ECF)の上限撤廃、特定投資家制度の規制緩和のニュースが流れてきました。
内容と所感を記事で紹介します。
<目次>
日経電子版の記事
株式投資型クラウドファンディング(ECF)ではこれまで、投資家一人が一つの企業に投資できる金額は年間50万円となっていました。
これは投資家側に過大なリスクを負わせることを防ぐ側面がある一方、どうしても出資者の数が多くなってしまい、将来的にM&AやIPOを目指す上ではリスクにもなっていました。
(あくまでも一般論ですが、M&Aで買収する側の視点に立てば、出資者の数が増えることを歓迎しない傾向があります)
2022年7月の施行の金融商品取引業等に関する改正では、特定投資家(金融商品に対する知識や経験を有するプロの投資家)の条件が緩和されました。
参考:https://www.fsa.go.jp/news/r3/shouken/20220630/02.pdf の第六十二条の第四号を参照。
・純資産1億円以上
・有価証券などの資産1億円以上
・収入金額1千万円以上
のどれかを満たした上で有価証券の投資歴が1年以上あれば、特定投資家として認められ、ECFの50万円という投資上限を適用しないことになったとのことです。
*ただ私が上記改正を読んだ限り、第四号適用条件である「特定の知識経験を有する者」の中に「有価証券の投資歴」は入っていないように見えるのですが・・・?
→と思っていたのですが、FUNDINNOのプレスリリースを見る限り認識は正しかったようです。
各社の対応
この緩和を受けて、ECF各社の対応は割れています。
日本のECFで最大手のFUNDINNO(ファンディーノ)では、特定投資家の要件を満たす投資家について、これまでの上限50万円を撤廃する投資ができるようにするとのこと。
また同時に「ファンディーノ+」という、49人以下の投資家だけが投資できる株主コミュニティのスキームを用いて、対面での株式募集を可能にするサービスを開始するとしています。
同様にCFスタートアップス(元:CAMPFIRE Angels)も今回の規制緩和に対応する方針ですが、一方でイークラウド社、ユニコーン社については対応はまだ未定とのことです。
所感
今回の金融商品取引業等の改正を受けて、個人マネーがベンチャーやスタートアップに回りやすい仕組みができたのは間違いないと思います。
おそらくECF事業者各社としては、待ちに待った改正なのではないでしょうか。
ただ一方でECFは出資した企業が経営破綻する可能性も大きく、実際に経営破綻した企業も複数あります。
リスクがあるのは投資の常ですが、ECFの場合はそのリスクがかなり大きいだけに、今回の改正が投資家のリスク増大につながってしまう何とかして防がなければならないと思います。
投資先企業への厳しい審査によるリスクの抑制、そしてリスクに見合ったリターンとなるM&AやIPOの実績が、今後いっそう求められてくるでしょう。
この点については第三者の審査なども取り入れ、組成するECF案件は「ECFにより投資家にリターンを与えられる企業」であることを優先するなどの仕組みが必要になってくるのでは、と考えています。
イークラウドのキャンペーン
今回話題にでてきたECF事業者の一つイークラウドでは、夏のエンジェル投資応援キャンペーンが実施されています。
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