通常なら月あたり700~800万円くらいは償還が行われるのですが、9月は珍しく償還が少なく手元の資金が枯渇している状態が続き、あまりファンドを見ていませんでした。
そんな中、なかなか面白いファンドが登場してましたので紹介します。
<目次>
米国名門ファンド投資資金ローン
今回紹介するファンドは、いずれも融資型クラウドファンディングの「Alterna Bank(オルタナバンク)」で募集されているものです。
・【元利金一括返済】米国名門ファンド投資資金ローンID603
予定年利:6.5%
運用期間:24ヶ月
募集金額:1億4,000万円
保全など:最終資金需要者に対するリコースローン
この後で紹介するもう一つのファンドとの共通点として、これらのファンドは本来富裕層向けに組成される(つまり一口投資金額が大きい)案件に、小口から投資できるというものです。
このファンドは集めた資金を Altive Limited.社 が運用するファンドへ投資するもので、Altiveファンドの投資先は大手米国資産運用会社が運用するプライベート・エクイティ・ファンド(*)です。
*未公開株式へ投資して、キャピタルゲインを得る目的のファンド
状況証拠ですが、最終投資先の会社は多分分かりましたので記事の後半で紹介します。
著名ファンド投資資金ローン
もう一つのファンドも同じく、富裕層向け商品に小口から投資できる特徴を持っています。
・【3ヶ月毎分配】著名ファンド投資資金ローンID611
予定年利:7.5%
運用期間:39ヶ月
募集金額:1億4,500万円
保全など:最終資金需要者に対するリコースローン
ファンドの投資対象は上記と同じくAltive Limited.社が運用するファンド。ただその先の投資先が異なっており、こちらの投資先は著名な資産運用会社(C社)が運用するプライベート・デット・ファンド(*)です。
*信用力が相対的に低い企業への直接融資を行うファンド
上のファンドはプライベートエクイティなので、対象株式を現金化するまで配当がなく一括償還となるのに対し、こちらのファンドはプライベートデットなので利息が発生し3ヶ月ごとの分配となる点が異なります。
どちらのファンドにしても最大の意義は、本来であれば機関投資家や富裕層だけが利用できる投資商品を小口化することで一般人が投資できるようにした点であり、ある意味クラウドファンディングの正しい使い方だと思います。
最大の問題を調べてみました
個人では手が出せない投資商品に投資できるのはメリットですが、最大の問題はいずれのファンドも最終投資先の情報が伏せられていること。
ということで少し調べてみたところ、C社については分かりませんでしたがNB社についてはおそらく正解と思われる会社が見つかりました。ニューバーガー・バーマン(Neuberger Berman)社です。
オルタナバンクのファンド情報にある「1939年に創業」、「約60兆円もの資産」(ニューバーガー・バーマンの資産は2021年末で4600億ドル)という情報に合致し、かつ略称のアルファベットも同じなので、まず間違いないでしょう。
投資先を公表できないことについて様々な事情があるのは分かりますが、投資家限定で大まかに類推できる情報開示があっても良かったのではないかと思います。