株式投資型クラウドファンディングで、現在国内取引量No.1を誇る「FUNDINNO(ファンディーノ)」の話題です。
株式投資型が今後発展することを考えると、大きなニュースです。
FUNDINNOが、エンジェル税制認定業者として認定を受けました。エンジェル税制とは何か? ということと合わせて紹介します。
<目次>
エンジェル税制とは?
まずはエンジェル税制の紹介から。
エンジェル税制とは、ベンチャーやスタートアップ企業への活発な投資を後押しするために設けられた税制です。
個人投資家は、投資時点と株式売却時点のそれぞれで、税制上の優遇措置を受けることが可能です。
そのうち、投資した時点で受けられる優遇措置は2種類あり、投資する企業によってどちらが適用されるかが決まります(適用されない企業もあります)。
下記の図の通り、優遇措置Aでは総所得金額からの控除、優遇措置Bでは株式譲渡益からの控除が可能です。
(画像:中小企業庁)
これ以外に、ベンチャー企業の株式売却により損失が出た場合、その年を含めて3年間の株式譲渡益と相殺することができます。
エンジェル税制の認定業者とは
このエンジェル税制を適用するかどうかという認定業務を行うのは、従来都道府県でした。
そしてベンチャー企業は申請を出すために20種類もの書類を提出する必要があり、その手続きの煩雑さが問題になっていたわけです(日本あるある話ですが)。
この面倒な制度は、令和2年度の制度改正により緩和されました。
改正後は、優遇措置A、Bともに認定業務が都道府県だけではなく、認定ファンド、そして認定クラウドファンディング事業者も行えるようになりました。
これにより煩雑な手続きは簡略化され、ベンチャー側の負担も軽減されます。
FUNDINNOを運営する日本クラウドキャピタル社は、株式投資型クラウドファンディングの認定業者として国内初とのことで、一つの快挙であり歴史的な動きと言えると思います。
ECF投資ってなに?
株式投資型クラウドファンディングは、別名ECF投資とも言います。
ECF(=Equity-based CrowdFunding)、直訳すれば「株式ベースのクラウドファンディング」で、意味は同じ。
このECF投資は、前述のように手続きの簡素化を進めるなど、日本においても今後注力する投資となっています。
2017年に5.1億円だった株式投資型のマーケットは、2019年には約6倍の29.3億円となりました。
(Fundinno公式サイトより引用)
もっとも海外に目を向ければ、例えばアメリカにおける株式投資型のマーケットは2016年に約13.5億円、2019年には300億円(1ドル=100円計算)と、日本と比べて10倍の規模。
(Fundinno公式サイトより引用)
その分だけユニコーン企業(企業10年以内、時価総額10億ドル以上)も多いわけで、今後日本でも株式投資型クラウドファンディングからユニコーン企業が生まれてくることを期待したいと思います。