株式投資型クラウドファンディング「ユニコーン」から、第6弾の案件が登場します。
今回のサービスは「F@nTV」。
「日本をはじめ世界中の有名人、プロの放送作家、そして視聴者をつなぐ新しいメディアプラットフォームを実現」することを目的とした、動画配信サービスです。
<目次>
サービスの特徴
「F@nTV」は、一言で言えば動画配信サービスです。
ただし一般人(最近は一般人だけでもないですが)が配信するYouTubeなどとは異なり、番組の制作にはプロも絡みます。
当社はこれまでにない、まったく新しいメディアプラットフォーム「F@nTV」を立ち上げました。メディアの第一線で活躍する放送作家やインフルエンサーなどのネットワークを活用して番組を制作。出演者、制作陣、スポンサー、視聴者が一体となることで、ファンが本当に見たい良質の番組を無料で提供します。展開は日本国内だけに留まらず、字幕を付与して世界中での配信を目指します。
(案件説明より)
有名放送作家を100人以上擁し、その企画から絞り込んで年間60本ほどを番組として制作。
これだけなら既存のTVメディアですが、そこに「いつでも視聴可能」+「ユーザ参加型」という属性を加えたものと言えそうです。
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既存メディアとの差別化
動画配信サービスで一番の問題になるのは、絶対王者たるYouTubeとの差別化をどこに置くか。
「F@nTV」においては、YouTubeなどと既存のTV番組の間を狙っているように感じました。
TV番組においては、局とタレント事務所との関係性もあって、番組内にインフルエンサーを起用する制約があるとのこと。
内実まで詳しくは知りませんが、なんとなくそういう雰囲気は感じます。
さらにインフルエンサーとしても、広告要素の強い内容を発信しにくい、これは分かります。
これらの問題解決に、番組自体にスポンサ-を付けてインフルエンサー個人色を和らげるという着眼点は面白いです。
さらに、広告インセンティブがYouTubeの10倍にも達するとなれば、初動がうまくいけば一気にリソース(番組制作者、番組視聴者、スポンサーなどのヒトモノカネ)が集まり、ブレイクする可能性もあると思います。
ビジネスモデルにもクラウドファンディングが
「F@nTV」のビジネスモデルは3つ。
広告収入、番組制作支援金、そして運営収入です。
面白いところでは、番組制作費をクラウドファンディングで募るという考え方。
番組制作費を募るというのは要するにスポンサーですが、それをクラウドファンディング化するというのは興味があります。
もっとも、不特定多数が番組の制作に関与することになると、意見が割れることもあるかもしれません。
「番組の制作に関与」というのがどのレベルの関与なのか、少し気になります。
プレバリューの妥当性は?
「F@nTV」を運用するFanTV株式会社の発行済み株式数は92,000株。
今回の募集は、目標募集額で3,000万円/7,500株ですので、1株あたり4,000円。
計算すると、プレバリュー(資金調達前の企業価値)は3.68億円と見積もられていることになります。
プレバリューをDCF法で評価してみます。
経営計画にある営業利益を元に、以下の条件で計算します。
5年目までのDCFは2.8億円、6年目以降は17.4億円。
5年で上場を目指す計画ですが、バリュエーションは経営計画が順調に行ったことを前提としているため、リスクマネジメントの上からは少し過大な気がします。
まとめと所感
動画配信サービスの巨人であるYouTubeとの差別化はさていますが、その差別化がどれだけ有効に働くか。
そして、著名な動画配信者やインフルエンサーをYouTubeからどれだけ引き抜けるか、が今回の案件のキモになるのではないでしょうか。
うまくいけば一気にブレイクする可能性もあり、残念ながら鳴かず飛ばずになる可能性もあり。
一つ気になったのは、F@nTVメインサイトがインパクト重視の配色になっているあまり、少し近寄りがたい雰囲気になっているように感じたことです。
もう少し万人受けするような配色や、文字ベースの情報を増やしてもいいのではないでしょうか(背景色を白くするだけで、雰囲気は変わると思うのですが)。
それと、せっかくクラウドファンディングで資金を集め、番組の制作費にもクラウドファンディングを使うのであれば、クラファンを特集した番組に実際の投資家を呼ぶような企画があっても面白いように思います。
(私は株式投資型メインではないので、お声がけいただく必要はありませんが笑)
急成長の株式投資型クラウドファンディング、やってみませんか?
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