今回は株式投資型クラウドファンディングの話題です。
上場している金融サービス事業者、ZUU社から資本参加を受けたユニコーンが第7弾の案件を発表しました。
8/20 18:00~の募集となります。内容を紹介します。
<目次>
会社概要
ヴァズ株式会社(以下、ヴァズ社)の会社概要は、以下の通りです。
(案件紹介ページより引用)
会社名:ヴァズ株式会社
本社住所:東京都練馬区大泉町3−29−42
代表者名:舟田善(フナダ ゼン)
設立年月日:2010年2月
事業内容:ソーシャルクッキングサービス「スナップディッシュ」の運営
資本金:357,179,060円
発行済株式数:12,034株
主要株主:舟田善 33.24%普通株式、SIG Asia Fund III, LLC 26.91%優先株式
主要株主である「SIG Asia Fund III, LLC」はアメリカSIG社のグループ会社で、アジア地域の企業を投資対象とするベンチャーキャピタルとのことです。
サービス概要
ヴァズ社の主なサービスは、食卓体験プラットフォーム「スナップディッシュ」。
料理に特化した写真共有サービスで、自分が作った写真をスマートフォーンで撮影し、スナップディッシュで共有することにより他ユーザからの反響を得る、あるいは他ユーザの投稿を見てレシピや盛り付けを学ぶというコミュニケーションツールです。
ビジネスモデル
ネット広告が嫌がられやすい昨今、ヴァズ社のビジネスモデルは、広告とは異なる「ファンマーケティング」という手法を取り入れています。
スナップディッシュのユーザは比較的関係性の強いコミュニティを形成しており、食品メーカーや飲料メーカーが商品モニターやキャンペーンを通じて商品体験を提供し、商品のファンになってもらうという手法。
*Funds(広告リンク)の行っているファンコミュニティと同様の手法と思われます。
ファンマーケティング事業には、ミツカン、丸大食品、味の素など大手企業がすでに参加しており、従来の広告に代わる事業として有望なものになり得ます。
プレバリューと企業価値
ヴァズ社の発行済み株式数は12,034株、今回の募集は1株あたり100,000円なので、募集前のプレバリューは12,034×100,000=約12億円になります。
今回の案件の目標募集額は1,500万円、上限募集額は8,000万円です。
事業計画はログイン後の限定情報になりますので一部公開できませんが、DCF法によるバリュエーション計算の結果は以下のようになりました。
(割引率10%、法人税率30%、永久成長率0%と仮定)
少なくとも5年目時点でのDCF(4.28億円)と比較すると、プレバリュー12億円はちょっと過大という印象です。
ベンチャーやスタートアップへ投資する株式投資型クラウドファンディングは、融資型や不動産投資型に比べてリターンの不確実性が高い投資です。
まず会員登録して限定情報を手に入れ、ベンチャーのビジネスモデルに触れるという使い方は良いと思いますが、実際の投資の際には「リターンがない可能性があっても応援したい!」という企業を選ぶことが重要だと思います。