海外専門の融資型クラウドファンディング、クラウドクレジットの話題です。
償還タイミングの偶然が重なったこともありまして、今月の成績はそこそこ良好でした。
その紹介と、私が投資している案件に関する、全体的な状況を紹介します。
<目次>
今月の償還状況
今月はクラウドクレジットで、多くの償還が行われました。私の場合、以下のような内訳です。
この表ですと償還金額しか分からないため、ファンドと運用通貨、償還額、利益、投資残額をまとめたものにすると、以下の表になります。
上記の表で薄いオレンジでハイライトしている案件は、「新型コロナのパンデミック以前の時点で、案件の償還が予定よりも遅れていたもの」になっています。
黒字確定の案件、赤字になりそうな案件
今月は上記の通り、「【為替ヘッジあり】東欧金融事業者支援ファンド104号」が満額償還され、¥27,112の利益となったことをはじめ、として、¥41,214の利益を受け取ることができました。
他の案件でも順調に償還されれば良いのですが、何せ相手は海外。
それも日本と比べて、金融システムが未発達な国に多く貸していることもあり、足元の新型コロナ感染拡大で各国の経済が縮小、人の流れが停滞する中、多くの案件で予定通りの償還ができていないのが実情です。
(新型コロナの一件は誰にも読めなかったことで、クラウドクレジットの責に帰するものではありませんが)
私の今月償還案件で言えば、当初の投資額、累計償還額、投資残は以下の通りになっています。
緑地に白抜きとなっている3案件は、累計償還額>投資額となり、最終的な利益が確定した案件です。
新型コロナ以前から遅れていた案件のうち、ペルー26号と北欧2号は最終利益確定。その他はまだ不明。
予想ではペルー案件は大丈夫だと思いますが、欧州3カ国案件は最終的に赤字になるかも、と考えています。
投資の前に必ず見ておくべきコンテンツ
クラウドクレジットの案件は海外案件だけに、日本案件にはない各種のリスク(危険という意味ではなく、リターンの不確実性という意味)があります。
それは例えば為替リスクだったり、その国ならではのカントリーリスクだったり、もしかしたら政情のリスクもあるかもしれません。
ここ最近で一番問題になり、未だ現地事業者との折り合いがついていないカメルーン案件は、その最たるものです。
クラウドクレジットへの投資の前には、必ず以下のコンテンツ(の最新版)を読んでおくべきです。
現状の各種案件がどのような状況にあるかが分かります。
運用状況マップの赤枠部分が「A」なら、ほぼ予定通りの利率が出ます。
しかし「B」なら予定以下、「C」ならトントン(つまり利率0%)、DやEなら元本損失が見込まれます。
資金を結びつける、それは分かるのですが...
ここからは少し提言になります。
クラウドクレジットは「世界に貢献する投資」を謳い、世界的な資金のニーズと日本国内の資金余りを結びつけ、直接金融で世界を良くしていこうという目標を掲げています。
それ自体には異論はないのですが、多くの国々におけるファンドを次々と出していくよりも、今は新型コロナウィルスの問題を受けて、一度足固めをすべき時期ではないか? と考えます。
現状でクラウドクレジットは、約1割の案件で大幅な赤字を見込んでいるのがその理由です。
現在では例えば、CAMPFIRE Owners(広告リンク)のように、海外公的機関に認められた現地法人へのリコースローンにより、投資家の資金安全性を高めている事業者も出てきました。
それに対してクラウドクレジットのスキームは、提携できる相手を厳選し、債権をガチガチに縛り、投資家に利益をもたらそうとしているかについて、ちょっと足を止めて考えてもいいのではないか? と思いました。
コロナの影響からまだ抜け出せない国が多い中、不確実性は増しています。
今後の海外融資型クラウドファンディングの発展を考えるのであれば、今は急ぐべき時ではない、と思います。