投資記録の話題です。
先日、クラウドバンクからあるファンドが償還されました。
最悪の場合、元本の一部が損害を受けることは覚悟の上で投資した案件でした。
<目次>
案件の詳細
そのファンドとは、「新型コロナウイルス融資特別支援ローンファンド第1号」です。
・新型コロナウイルス融資特別支援ローンファンド第1号
予定利率:3.2% → 予定通り
運用期間:8ヶ月 → 予定通り
募集総額:4,000万円
この案件は通常のものと同じ物差しで計るべきものではありません。
クラウドバンクの案件説明に、以下のように書いてあるほど特殊事情による案件です。
当ファンドはクラウドバンクが通常取り扱うファンドと比較して異なるリスク・リターンの考え方に基づくものですので、特に留意して会員限定情報等の記載内容をお読みいただき、ファンドの趣旨等を含めてご賛同いただけるかご確認の上でご判断いただきますようお願いいたします。
案件の詳細と、共感したこと
この案件の資金使途は、「新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により資金需要を有する企業への融資を目的としたバックファイナンス資金」。
バックファイナンスという言葉は融資型で時々目にしますが、「バック(後の)」「ファイナンス(資金調達)」という言葉の通り、「自己資金を投入した後から資金調達をする」という意味です。
最終の資金貸付先は、新型コロナの影響などにより資金調達が必要になった企業。
新型コロナ特別貸付や、保証融資などが決定している企業に対する、短期のつなぎ融資です(これら公的な貸付には時間がかかるので、その間のつなぎ資金)
今回の案件は、営業者報酬を0.1%しかとらない上、クラウドバンクが20%の劣後出資を行っていました。
貸付金が焦げ付けば最初に損をするのはクラウドバンクであり、覚悟のほどが窺えます。
その姿勢に共感する形で、預り金に残っていた全額(53万円ほど)を投資しました。
投資の意義
以上のような特殊事情を考えれば、最悪一部の元本が削れることは覚悟でした。
削れたらその分は寄付だとでも思うつもりでしたが、めでたく全額、予定通りの償還となりました。
(運用レポート)
投資家の定義には諸説ありますが、私は「お金を媒介に、社会と関係する人」だと思っています。
新型コロナで苦境に立たされた企業に対し、公助が届くまでのつなぎ資金を融通するというのは、まさにこの「社会と関係する」社会的側面を持った投資であり、それできっちりリターンを得るというのは、投資家冥利に尽きるというものです。
もちろんこんな満足は幻想であり、自己満足でしかありません。
やらぬ善よりやる偽善、というやつです。