不動産投資型クラウドファンディングに、ユニークな事業者が登場しました。
TECRA社が運営する「TECROWD(テクラウド))」、新興国の不動産を対象とした投資商品です。
運営会社、第1号案件、特徴などについて紹介します。
<目次>
これまでにないサービス「新興国の不動産投資型」
TECROWD(テクラウド)は不動産投資型のサービスですが、これまでの不動産投資型クラウドファンディングとは異なり、「新興国の不動産」を投資対象としています。
クラウドファンディングに相当額を投入している私としては、この時点で興味津々。クラウドファンディングでは事業者信頼性と分散投資が何よりも大事と思っていますので、新しい投資対象が増えるのは大歓迎です。
一方、「新興国不動産」という点は当然リスクになり得ます。事業者から内容を見てみます。
運営母体はTECRA株式会社
TECROWDを運営するのは、「TECRA株式会社」。
横須賀の内装業者として始まり、建設業、総合建設業を経て、今では海外建設事業やクラウドファンディングも手がけることになった会社とのことです。
TECRA社の公式サイトによると、事業を行っている国は日本の他に、ベトナム、モンゴル、キルギス、カザフスタン、ウクライナ。後で紹介するTECROWD第1号ファンドは、このうちモンゴルでのファンドでした。
海外での不動産事業は法律や商取引慣習が異なる難しさがありそうですが、公式サイトでは現地企業とのパートナーシップに加え、現地に訪問して直接コミュニケーションを取ることでプロジェクトを進めている、とあります。
(おそらく今は直接の人の行き来が難しいので、現地企業とのやりとりはオンラインか、あるいは人を駐在させていると思います)
TECRA社の業績
TECRA社の業績は以下のサイトに掲載されています。
(上記サイトより引用)
新型コロナの影響もあって、2020年期は純利益を大きく落としてはいますが、黒字での着陸。また直前期と比べ、バランスシートが軽量化しているのも良い印象を受けます。
直近2020年期時点の総資産は約18.7億円、うち純資産は約2.7億円で通算黒字。
上場はしていませんが、会社としての安定性はまずまず、と言ったところではないでしょうか。
TECROWD1号案件は即日完売!
TECROWDの名前は少し前に知っていたのですが、先日最初の案件が限定で募集され、即日完売となったようです。
・TECROWD 1号ファンドHoimor office
予定利率:6.5%→初回特典8%
運用期間:24ヶ月
募集総額:2,850万円
TECROWDの第1号案件は、モンゴル首都、ウランバートル中心部のスマートオフィスに対する出資です。本来の利率は6.5%ですが、第1回案件ということでボーナス利率8%。
・モンゴル市場に上場している「インベスコアNBFI」グループ企業による、一括借り上げ契約付き
・物件の平均稼働率は95.3%
・為替ヘッジ付き
・優先劣後出資つき(出資総額3,200万円、劣後出資350万円、劣後出資比率約11%)
という案件になっています。
また今後はどうなるか分かりませんが、第1号案件は下記の通り、3ヶ月ごとの利払いとなっていました。
第2号案件は4/1からの募集です
TECROWDの案件は「優先劣後出資」「分別管理体制」そして「為替ヘッジ付き」で、新興国の不動産への出資を行うための下地は整っている印象です。
特に為替ヘッジには重要です。米ドルやユーロなどならともかく、新興国の現地通貨建てのファンドは、ファンド以上に為替リスクがあり、インカムゲイン投資であるクラウドファンディングにはなじまないと考えているからです。
一方新興国不動産というのは国内不動産と比べて不確実性が多いのも確かで、いざ不確実性が顕在化した時にTECRA社がどこまで対応できるか、その実例を示していくことがこれからの課題になると考えます。
まとめて言えば、クラウドファンディング初めての投資家には勧められませんが、ある程度の資金をクラウドファンディングに投入している投資家の分散先としては、検討する価値はあると判断します。
ということで、ある程度の資金を投入している私はさっそく投資家登録を行います。