SBIソーシャルレンディングが、レンディング事業からの撤退を決めるに至った一連の問題で、不適切な融資を受けたとされている事業者があります。
その事業者が絡むもう一つの案件で、朗報がありました。
<目次>
クラウドバンクのお知らせ
クラウドバンクから先日、以下のお知らせがありました。
CU社及びCV社を主要な融資先とする「2. 対象となるファンド」に記載のファンド(以下、「対象ファンド」といいます。)につきまして、ファンドページの掲載内容を一部変更いたしましたのでお知らせいたします。
なお、対象ファンドの裏付けとなる事業の権利等を全て保有する特別目的会社の持分のうち一部を当社グループの役員等が取得し、当該事業の運営を常に監視、把握しており、利息の支払いおよび最終的な元本の返済に懸念がないことを確認しております。
また、現在運用中のクラウドバンクファンドにおいて、一部報道されている企業の状況が分配・償還に影響するファンドはございません。
詳細なところは投資家限定情報となっており、ブログ上では公開することができないのですが、SBIソーシャルレンディングの案件をご存じの方ならピンと来るものがあると思います。
ファンドの変更内容
今回対象となる案件は、「バイオマス発電ファンド第166号」~「バイオマス発電ファンド第243号」の合計78ファンド。
私も対象となる案件には1案件投資しています。
・バイオマス発電ファンド第198号
予定利率:6.3%
運用期間:14ヶ月(~2021/09/07)
この案件は、茨城県におけるバイオマス発電事業の権利および土地を取得し、同発電所の開発を行うものでした。運用期間は14ヶ月で、2021年9月に償還される予定です。
ファンドページの掲載内容を変更したとのことですが、内容は「連帯保証人の追加」です。
連帯保証人と事業そのものは切り離さされている状態ですが、それにしても連帯保証人の質が悪いのは良い事ではありません。今回連帯保証人が追加されたことにより、ファンドが無事償還される可能性は高くなったと言えると思います。
ガバナンスの大切さ
今回のクラウドバンクのバイオマス案件と、SBIソーシャルレンディングの問題を比較した場合、問題となったのはファンドにおけるガバナンス(統治)の違いだと思います。
先ほどのクラウドバンクのお知らせから一文を引用します。
特別目的会社の持分のうち一部を当社グループの役員等が取得し、当該事業の運営を常に監視、把握しており、利息の支払いおよび最終的な元本の返済に懸念がないことを確認しております。
貸付先は特別目的会社ですが、その持分の一部をクラウドバンクの役員が取得することで、バイオマス事業に対するガバナンス(統治)を効かせることができています。
単に資金を貸し付けただけなら、事業の内容を監視・把握できず、結果として不適切な融資になる可能性がある。これが今回、SBIソーシャルレンディングで起こったことのポイントです。
融資型クラウドファンディングは単に保全を見るのではなく、その保全についてどこまで監視・把握を行うことができるのかも重要ということが今回の教訓で、今後の投資に生かしていきたいと思います。
それにしても、クラウドバンクはGJでした。