ファンドに問題が発生し、残念ながら事業撤退となったSBIソーシャルレンディング。
私が投資している案件の現在の償還状況や、通算成績について紹介します。
<目次>
これまでのおさらい
SBIソーシャルレンディングは、募集した一部ファンドの貸付先において貸付金が適切に使用されていなかった指摘を受け、金融庁から業務停止命令を受け、業務改善報告書を提出しました。
これと並行して、全既存ファンドの償還を条件としする事業撤退を発表しています。
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個人的には、体制を整えて事業を再開し、失った信頼を取り戻すべくがんばってもらいたいところでしたが、SBIの看板に傷が付くと判断されてしまったのでしょう。残念です。
その後SBISLでは、事故確認(*)の手続きを完了し、元本相当額の払い込みが行われました。
*金融取引では元本償還は基本的に認められていないが、金商法で定義される「事故」と確認された場合に限り、元本相当額を補償できるというものです。
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8月の償還状況
2021年8月のSBIソーシャルレンディングにおける投資状況、償還状況を紹介します。
今月の償還額は¥515,358、税引後の利益は¥10,158です。
右列にある「損失」の金額は、事故確認が行われた対象ファンドにおいて過去に支払われた利息相当額です。事前に支払われた利息が差し引かれただけなので、実質的に元本が減っているわけではありません。
(利息部分を含めた償還は、事故確認の例外でも認められていません)
通算成績について
SBIソーシャルレンディングの投資はまだ完了したわけではありませんが、現在までの通算成績は以下のようになっています。
通算で、税引後の利益は約235万円です。
残りのファンドが無事償還されれば、という但し書き付きとは言え、このままなら投資全体としては「色々あったけど全体としてはこともなし」で終えることができそうです。
少し気になること
SBISLについて少し気になることが2点。
SBISLでのニュースを検索してみると、「100億円単位の損失が起きた」という見出しをよく見かけます。
それ自体は事実ですが、「投資家が」損失を受けたと誤解させるような内容については、首をひねりたいところです。
SBISLがやらかして損失を生んだことはまちがいないのですが、その損失はSBI(グループ)が被ったもので、SBISLの投資家が被ったわけではありません。
もちろん適切に伝えている記事もありますが、インパクト重視のあまり「投資家が損失を受けた」と誤解させるような見出しとなっているメディア記事については、いかがなものかと思います。
もう1点は、順調に償還の進んでいる不動産担保ローン事業者ファンド。
このファンドの中身は、複数(8社)の不動産を担保としたローン事業を営む事業者に、運転資金を貸し付けているものでした。
一月あたりの投資額は数億円から10億円を超えることもあったファンドですが、この資金供給が途絶えた場合、不動産担保ローン事業者の資金需要はどこが応えることになるのか、興味を持ってウォッチ中です。