昨日、Yahooニュースに報道がありました。
SBIソーシャルレンディングが、レンディング事業(融資仲介)から撤退? というものです。
このニュースについての所感を書いてみます。
5/24:撤退確定の報道を追加しました。
<目次>
Yahooニュースの報道
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news.yahoo.co.jp
あくまでも関係者への取材で分かったというものであり、報道の確度がどの程度であるのか、本当に撤退するのかどうかはまだ未定です。
ただもしも本当だとしたら、目的はニュースで報じられている「グループの信用維持のため」が妥当だと思います。
全体の中でのビジネス規模は小さいにしても、SBIの看板を掲げたSBIソーシャルレンディングが金融商品取引法違反疑い事項を行えば、SBIの看板自体か傷つく可能性があります。
SBIグループは足下、経営不振に喘ぐ地銀を連合するような動きを進めています。メリットとデメリットを勘案した結果、レンディング事業から撤退するという選択肢を選んだとしても、不思議なことではないと思います。
私の意見
私の素直な意見としては、残念に思います。
逆に言うと、それ以外は特にありません。SBISLがサービスから撤退したとしても損が発生するわけでもなし、償還された資金は別の事業者に投資するだけです。
公言しているように私は、クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)という投資自体には惚れ込んでいますが、特定の事業者に肩入れすることはありません。
最大手のSBISLであっても、看板が重いためにこんなこともあるだろうな、と思うだけです。
ただ、「事業拡大を急ぐあまり、企業統治が不十分」(金融庁幹部)には思わず失笑しました。
分かっていることとは言え、これぞお役所仕事。その企業統治を、例えば二種金商協会などに働きかけ、もしくは協働することによって監視し、向上させていく責任の一端は金融庁にもあるはずなのですけどね。
今後のクラウドファンディング
SBISLがサービスを停止しても、機動的な資金の需要がなくならない限り、また別の事業者が何かの商品を生み出すでしょう。
不動産担保型の融資は、見方を変えれば不動産投資型の投資にもなり得るので、資金需要があればそこに資金を供給するサービスが生まれるのは当然のことです。
今後のクラウドファンディングでは、おそらく不動産投資型は変わらずに成長を続けるでしょう。個人的にはセカンダリー市場ができて欲しいところですが、それはまだまだ時間がかかりそうです。
融資型のソーシャルレンディングがどうなるかについては、あまり楽観的ではないシナリオが優勢のように思いますが、さてどうなるか。投資は当然続けながら、予想が当たらないことを願ってウォッチしていきたいと思います。
ついでに一言
蛇足ながら一言。
SBISLの一報を受けて、もしも「信じてたのに裏切られた」などという風潮の意見があるのなら、それこそ失笑ものです。
信じるも勝手、結果として裏切られるも騙されるも勝手。信じた側にも当然のように責任があります。特にお金などという機微な領域では、何も信じず、自分の責任において判断し、その結果を負うのが当然のこと。
怒るのも喚くのもネタとして嗜む程度に。
私の目に入る記事や発言の主は、もちろん弁えてやっているものと信じていますが、万が一本心で言っているのなら、投資はまだ少し早かったということでしょう。
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www.sallowsl.com
(5/24追記)撤退報道
残念ながら、撤退は確定的なものになったようです。5/24付けでSBIホールディングスからリリースがありました。
このたびSBISLでは、今後の業務運営に関して、第三者委員会調査報告書の内容をもとに検討を重ねた結果、ソーシャルレンディング事業の継続は困難と判断し、本日付の同社取締役会において、全既存ファンドの償還を条件として、自主的な廃業および同事業からの撤退を決定いたしましたのでお知らせいたします。
(上記報道より引用)
全ファンド償還が条件とのことで、投資家への影響は比較的小さく抑えられるものと思われますが、また何かありましたら記事で紹介したいと思います。