COZUCHI(コヅチ)と協業している融資型クラウドファンディング、「COMMOSUS(コモサス)」の話題です。
今回のファンドは珍しく、美容事業への貸付。ただしその連帯保証先は盤石とも言える堅い案件です。
<目次>
MUSEE 美容脱毛事業ファンド(ミュゼプラチナム#1)
COMMOSUS(コモサス)で募集しているファンドは、同事業者としては珍しい貸付先です。
・MUSEE 美容脱毛事業ファンド(ミュゼプラチナム#1)
募集開始:2023/6/23 13:00~(先着式・前後入金)
予定年利:6%(元利均等返済)
運用期間:24ヶ月
募集金額:2億5,000万円
保全など:割賦販売債権(融資実行時点で融資額の140%)、親会社連帯保証
貸付先はミュゼプラチナム。美容方向にはてんで疎い私でも、電車内広告などで見たことのある美容脱毛の大手(というか店舗数や顧客数ならトップ)です。
今回の運用期間は24ヶ月ですが、元利均等返済の仕組みとなりますので元本も毎月償還されます。
一括償還されないことは投資家それぞれにとって良い悪いの判断があるでしょう(*)。ただし毎月元本が返ってくるので、その分元本毀損リスクが提言していることは間違いありません。
*ちなみに私個人としては、もう少しCOMMOSUSでの投資金額が増えないと元利均等は有効に機能しないなと考えています。
今回の案件は有名な美容事業への貸し付けファンド・・・と表向きは思いますが、実際はかなりガチガチのファンドです。次にそれを紹介します。
堅い理由1:割賦債権
本ファンドが堅い理由その1は、担保の性質です。
ファンドの担保はミュゼプラチナムの美容脱毛における割賦債権、要するに成約した美容ローンのうち当初3.5億円分(貸付金額の140%)を確保します。
割賦債権ということは当初設定した債権が徐々に減少しますが、担保となる割賦債権の平均期間は48ヶ月とファンド運用期間24ヶ月よりも長いため、理論上は元利均等返済である運用元本の方が早く減少します(=担保がより強化されます)。
また理論上とは異なった事態が起きた場合でも、2ヶ月に1度債権内容のチェックを行い、割賦債権残高が貸付残高の110%を下回った場合は110%まで別の債権を当てる方式を採ります。
こういったことができるのは、売上が300億円前後もあるミュゼプラチナムならではでしょう。
堅い理由2:連帯保証
もう一つの堅い理由は、連帯保証先。
今回の案件は、ミュゼプラチナム社の親会社である船井電機HD・・・のさらに親会社、秀和システム社が連帯保証します。
船井電機HDがミュゼプラチナム社を傘下に収めた理由は、船井電機がものづくりの会社なので美容方向にも手を伸ばす意図があったのでしょう。私も元そういった会社でしたので分かりますが、ものづくりのノウハウがあれば本業以外のモノを作るのはさして難しくはありません。
ところでなんで非上場の出版会社である秀和システム社が上場家電業者の船井電機HDをTOBしたのかと言うと、そこには色々事情があった様子。
スキーム上は秀和システム社の連帯保証ですが、実質的には船井電機も同時に保証している状況。
そして上場企業だった頃から船井電機はかなり堅い会社だったことから、割賦債権と合わせてかなり堅い案件と評価しているのはこういった理由があります。