三井物産グループの運営する不動産に投資ができる、「ALTERNA(オルタナ)」の紹介です。
今回はALTERNAの運営を行う「三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社 (以下、MDM社)」にインタビューをする機会に恵まれました。内容について紹介します!
(後編はこちら)
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<目次>
運営会社の紹介
(引用元:https://alterna-z.com/)
今回のインタビューに答えていただいたのは、MDM社の共同創業者であり同社の取締役、ALTERNA事業部長の丸野氏です。
丸野氏は大手総合商社に入社後、スタートアップ・独立などを経て、2020年4月にMDM社を共同創業し、機関投資家向けの商品組成などを経て「ALTENRA(オルタナ)」の立ち上げに至りました。
MDM社の筆頭株主は三井物産ですが、それ以外にLayerXなど計6社の合弁会社であり、第一種金融商品取引業も取得しているためファンドの組成→販売→運用を一気通貫で行うことができます。
2023年12月末時点でのAUM(運用資産残高)はクロージング中含め約3,000億円、投資対象は実物資産を中心としています。
(出典:ALTERNA資料)
ALTERNAの経緯と意義
ここからはインタビュー形式でお伝えします。私(SALLOW)の発言内容は青字にしています。
SALLOW:ALTERNA(オルタナ)を提供するに至った経緯、提供したい投資経験を教えてください。
MDM社:すでに様々なメディアでも紹介されていますが、日本の家計の特徴として預金利率が多く、投資商品の保有率が先進国でも最低水準にあることが挙げられます。
また投資から受けるイメージを尋ねると、「リスク・ギャンブル・損失・怖い」というネガティブなものが半分以上を占め、前向きなイメージは近年増加傾向にあるとは言えまだまだ低いのが現状です。
(出典:ALTERNA資料)
投資に対するネガティブなイメージと、投資に対し実際に後ろ向きな行動は、個人の資産形成を妨げる要因となります。
その理由の一つとして、これまでは投資というと価格変動が大きい商品が多く、中には投機と思われるようなギャンブルのような商品があったことが考えられます。価格変動が緩やかな安定資産は存在しますが、ほぼ機関投資家向けであり一般投資家に対し投資機会が少なく、そういった安定資産を一般投資家に提供するためにALTERNAを立ち上げました。
SALLOW:ありがとうございます。これは私が他の事業者さんにも尋ねていることですが、事業者側から見たALTERNAのメリットはなんでしょうか?
MDM社:我々はこれまで主に機関投資家をメインのお客様として事業を行ってきました。しかし多くの機関投資家は投資基準や考え方が似ており、同じような投資対象を選択する傾向があると思っています。
「ALTERNA」は機関投資家とは異なる目線や価値観を持つ、個人投資家向けにアプローチするための商品です。それは我々にとっても様々な投資対象を提供する機会が広がることを意味し、ビジネス機会の拡大につながることが期待されます。
デジタル証券とは?
SALLOW:ALTERNAはデジタル証券の仕組みを使った商品と聞いていますが、一般の個人投資家にはなじみがない言葉だと思います。どういったものか説明いただけますか?
MDM社:デジタル証券(セキュリティ・トークン)は、2020年5月の金商法改正で新しく登場した有価証券です。
最大の特徴は、ブロックチェーン等のシステムでトークン化(電子化)していること。これによって発行コスト・上場等に伴うコストを低減でき、全体的なコストも安くなるため小口化しやすいという特徴があります。
このように小口化されたデジタル証券のことをST(セキュリティ・トークン)と呼び、STを通じた資金調達のことをSTO(セキュリティ・トークン・オファリング)と言います。
(出典:ALTERNA資料)
SALLOW:幅広い権利が小口化されることで、個人投資家にはどのようなメリットがありますか?
MDM社:先にもお話した通り、日本において投資性資産の保有割合が低いことの理由の一つには、価格変動が緩やかな安定資産を個人投資家に提供する機会が少なかったことがあると考えています。
上場している商品は常時売り買いが発生するため価格変動が起こる。価格変動が緩やかな上場していない商品は機関投資家向けであり、小口化するとコストが増えるためビジネスとして成立しない。
デジタル証券を用いた小口化はコストが安いため、従来は個人投資家向けに商品化ができなかった幅広い資産を提供することができ、個人が優良な安定資産へアクセスすることのできる時代がやってきました。
(出典:ALTERNA資料)
他の不動産投資との比較
SALLOW:不動産に投資する方法は様々ありますが、他の不動産投資とALTENRAの違いを教えてください。
MDM社:我々が考える、各種の不動産投資手法の比較は以下の通りです。
(出典:ALTERNA資料)
現物不動産は投資金額が大きくなり、また運用管理の手間や売買の自由度が制限されます。
J-REIT(不動産上場投資信託)では運用管理の手間がなく売買も自由ですが、その代わり価格の安定性がありません。
SALLOW:J-REITの値動きはそこまで激しいですか?
MDM社:はい。これまでの推移を見てみると東証株価指数に準じるほどの価格変動となっており、実物不動産価格の推移と比べると明らかに激しい値動きです。
(出典:不動産証券化協会(一社)から、ALTERNAが作成)
SALLOW:これは確かに・・・。不動産の特長である価格変動の緩やかさが消えてしまってますね。
MDM:そうです。その点ALTERNAのような不動産デジタル証券は、実物不動産価格が基準となるため値動きは緩やかであり、また運用管理の手間もありません。
取引できない期間があるので売買は多少制約もありますが、現物不動産やクラファンに比べて自由度は高いです。さらに株や投資信託などと同様の申告分離課税である点もメリットになります。
まとめると不動産デジタル証券は、次々と登場する予定の大型不動産を選んで小口投資し、安定的なトータル・リターンが期待できる投資と言えると思います。
後編の予告
今回の記事では、ALTERNA(オルタナ)運用会社へのインタビューについて紹介しました。
ここまでが前編です。
後編は不動産投資型クラウドファンディングとの違い、クラファン投資家の私がALTERNAに投資を始めた理由、ALTERNAへの質問と回答、そして今後の展望について記事にします。