融資型クラウドファンディング「COMMOSUS(コモサス)」の話題です。
今回は豪華三本立て、TRIADからの不動産案件が3つ同時に予告されました。組成の背景についての所感とあわせて記事にします。
<目次>
目黒区 中目黒 プロジェクト
ここからは、3つのファンドを一つずつ紹介していきます。
・目黒区 中目黒 プロジェクト (TRIAD FUND 5号)
募集開始:2023/5/30 12:30~(先着式・実質前入金)
予定年利:7%
運用期間:11ヶ月
募集金額:7,000万円
保全など:不動産に対する第二順位抵当権、LTV79.3%
個人保証あり
TRIAD#5ファンドの対象は、目黒区中目黒の土地及び建物。
不動産の鑑定評価額は7億3,100万円で、計算すると第一順位に借入が5億1,000万円ほどあり、今回の融資はそれに続く第二順位での担保設定となります。
この後の案件とも共通ですが、第一順位の借入が金融機関からのものだと仮定するなら、借入の過程で物件に対してのチェックは済んでいると判断できるでしょう。
世田谷区 代田橋 プロジェクト
・世田谷区 代田橋 プロジェクト (TRIAD FUND 6号)
募集開始:2023/5/30 12:30~(先着式・実質前入金)
予定年利:7%
運用期間:11ヶ月
募集金額:2億1,000万円
保全など:不動産に対する第二順位抵当権、LTV76.6%
個人保証あり
TRIAD#6ファンドの対象は、世田谷区代田橋にある土地及び建物。
#5~#7全てのファンドに共通ですが、不動産担保の第一順位には別の借入があり、クラウドファンディングでの募集は第二順位。第一順位は第二順位に優先して弁済されるため、万が一の場合は元本が大きく毀損する可能性はあります。
とは言え対象案件が都心で流動性が高いと推測され、かつLTVが8割以下であることから一定の安全性は確保されていると言えるでしょう。
このファンドの場合、計算すると第一順位の借入は約3億3,000万円です。
中央区 水天宮前 プロジェクト
・中央区 水天宮前 プロジェクト (TRIAD FUND 7号)
募集開始:2023/5/30 12:30~(先着式・実質前入金)
予定年利:7%
運用期間:11ヶ月
募集金額:2億2,000万円
保全など:不動産に対する第二順位抵当権、LTV76.8%
個人保証あり
TRIAD#7ファンドの対象は、中央区水天宮前の土地及び建物。
こちらも第二順位抵当権。第一順位の借入は約5億2,000万円あります。
第一順位と第二順位の借入(募集)額の比率が何を示すかはケースバイケースなのでぼかして書きますが、第二順位の借入額が大きい#6、#7の全体LTVが#5より若干少ないのは、狙ってやっているなら良いバランス感覚という印象を受けました。
ちなみに私ですが、今回は手元資金が少ないため見送り。もし資金が潤沢にあれば、それぞれのファンドに50-100万円の間で同じ額ずつ投資していると思います。
融資型で組成する背景
TRIAD社はコモサスと同様コヅチにも不動産を供給しており、この3社は言わばチームなわけですが、なぜ一本化しないのかという疑問があるかもしれません。これについて、推測も含めて書いていきます。
まず第一には、不動産投資型では扱えるファンドスキームが限定されること。不動産投資型はあくまでも不動産から得られる収益しか扱えず、信託受益権などはスキーム外であるほか、今回のような第一順位に抵当権がかかっている場合も不動産投資型での組成は難しくなります。
もう一つ考えられるのは、不動産投資型では物件の所在を明らかにする必要があること。情報開示は重要ですが、同業者がこっそり会員登録して物件情報を手に入れるなどの弊害があり、特に開発案件においては売却活動に支障を来す場合があります。その点融資型であれば物件情報を伏せることができ、事業者にとっても投資家にとっても良い結果を生むケースが生じることになります。
このような背景から「TRIAD+COMMOSUS+COZUCHI」を一体化した経営戦略を想定すると、今後数億円単位のファンドであればコモサスの方が好条件で募集される可能性があります。というか私ならそうします。
最後に一つ注意点です。
コモサスは「投資申込」+「資金の着金」の両条件が満たされないと投資が確定しないため、投資を検討されている方は「前入金」をお忘れなく。