融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)、ネクストシフトファンドの話題です。
同種のクラウドファンディング事業者と異なるのは、ネクストシフトファンドが「社会インパクト投資」の専門事業者であること。
社会インパクト投資については、以前にも記事にしています。
今回は、そのネクストシフトファンドで募集中の案件を紹介します。クラウドファンディングや社会インパクト投資に興味のある方は、このままどうぞ。
<目次>
モンゴル農家支援ファンド
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現在、ネクストシフトファンドでは二つの案件が募集中。
うち一つは、モンゴルの農家を支援するファンドです。
・モンゴル農家さん応援ファンド4号
予定利率:5.1%(USD建て)
運用期間:12ヶ月
担保:無し(正式な認可機関への貸付のため)
貸付先は「Gyals Tugrug Savings and Credit Union(Gyals社)」。
モンゴルの金融規制委員会から事業免許を取得し、正式に認可されたマイクロファイナンス機関への貸付となります。
2018年末時点での融資残高は700万ドル超、一人あたりの貸付平均額は600ドルで借り手数は7,800名なので、十分な分散がされていると言えます。
貸倒率は2.7%で、モンゴルという国を考えれば妥当でしょう。
カンボジア農家支援ファンド
もう一つは、カンボジアの農家を支援するためのファンドです。
・カンボジア農家さん応援ファンド7号
予定利率:5.0%(USD建て)
運用期間:12ヶ月
担保:無し(正式な認可機関への貸付のため)
貸付先は「JC Finance PLC社(JC社)」。
上記モンゴルのファンドと同様、こちらもカンボジアの国立銀行からマイクロファイナンス機関として正式に認可された機関になります。
2018年末の貸付残高は590万ドル。貸付総数421名で平均貸付高は15,000ドルと、上記モンゴルと比べて少ない人数に多くを貸し付けています。
貸倒の実績はゼロですが、このマイクロファイナンス機関が認可されたのが2018年の始めであることから、「まだ貸倒が起きるほど実績を積んでいない」と見なすのが妥当でしょう。
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ネクストシフトファンドの案件の考え方
以下は私見になります。
ネクストシフトファンドは各国のマイクロファイナンス機関に貸付を行います。
機関そのものはその国の公的機関として認証を受けているので、貸付先の信用リスクはそれほど高くないと思われます。
ただし、ネクストシフトファンドが対象とする国は発展途上国が多く、カントリーリスクは必ず考慮する必要があります。
表面的な利率にとらわれることなく、貸付を行う対象国は分散すべきでしょう。
ただ一方で、ある国に投資するファンドを分散する必要はあまりないと思います。
(例えば上で言えば、モンゴル農家さん応援ファンド4号と今後募集されるだろう5号に分散する意味は薄い、ということです)
というのも、マイクロファイナンス機関の向こうの最終貸付先は、すでに分散されているからです。
モンゴルの例で言えば、下図の「農家・中小企業」がすでに分散されている、という意味です。
最終貸付先が十分に分散されていれば、個別の貸付先が破綻するかどうかは問題ではなく、貸倒率が高い低いということに注目すれば事は足ります。
そのため案件の説明においても、借り手数と貸倒率を紹介したというわけです。
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