株式投資型クラウドファンディングの話題です。
資産管理、資産アドバイザー事業を営むマザーズ上場「ZUU社」の関連会社、株式投資型の「ユニコーン」で案件の募集が開始されました。
今回はインターネットテレビ局「F@nTV」の案件です。
<目次>
狙うは既存のメディアと、Youtubeの中間
F@nTVが狙っているのは、既存の放送メディアとYoutubeやニコニコ動画の中間です。
既存のメディアでは、タレント事務所との関係から事務所に所属していないインフルエンサーを起用するには制約があり、Youtubeなどではインフルエンサーが広告要素の濃いコンテンツを発信しにくいという事情があります。
(下手に発信すると、いわゆるステマに当たるものとして批判の的にもなりかねません)
これらの折衷案として番組にスポンサーを付け、インフルエンサーの個人色を薄めるというのは面白い取り組みです。
ただ、放送メディアとYoutube等のいいとこ取りを狙うというのは、二兎を追う者になってしまう懸念もあり、うまくブレイクするかどうかは未知数、と言ったところだと思います。
本案件に関する詳細な紹介は、下記の記事もごらん下さい。
クラウドファンディングで番組を作成
F@nTVの面白い取り組みは、番組自体もクラウドファンディングで作成しているところだと思います。
CAMPFIREでF@nTVのページがありました。これまでに14件のファンドを組成しています。
F@nTVの番組ラインナップを見てみたところ、昔の勢いがあった(言い換えれば、過激だった)頃のテレビ番組を作りたいのだろうという目的は伝わってきました。
ただ過激な番組、特にエロ方面の番組を好まない層も一定数いるのは確かで、そういった層は一部の番組が過激であることを理由にメディアそのものを忌避する傾向があるように思います。
規制でガチガチのメディアだけでは面白くないですが、このあたりは時節柄、難しいところです。
新しいキャンペーンの意義について
ユニコーンでは新しいキャンペーンが始まっています。
既存会員に向けたサンクスキャンペーンで、投資案件が成立するたびに2,000円のAmazonギフト券がもらえる、というものです。
ただ私は失礼ながら、このキャンペーン内容には賛同はできません。
なぜなら株式投資型クラウドファンディングは、融資型や不動産投資型に比べて不確実性がとても高い投資商品だからです。
ベンチャーやスタートアップが首尾良くEXIT(上場や買収)される可能性は、決して高いものではありません。
そういう投資に対して、下品な言い方をすると「物で釣る」というのは、あまり褒められたものではないと思います。
*一方、貸付型や不動産投資型のように、担保や保全が効いていて返済がある程度確約されているものなら、投資に対するインセンティブを与えるのは理にかなっていると思います。
株式投資型クラウドファンディングにおける「王道」
一方で、7月末までのキャンペーンである「新規会員登録+投資で3,000円のAmazonギフト券」については、半分は賛同します。
賛同するのは「新規会員登録の販促を行う」という部分です。
どんなに良い案件を組成しても、投資家登録している人が少なければ案件が成立する可能性は低くなります。ですから、新規会員登録にインセンティブを出して登録数を増やすというのはまちがっていない、と思います。
・新規会員登録キャンペーンで会員数を増やし、潜在的な投資資金の供給を増やす
・優良で魅力的な案件を組成して、投資資金を引き出す
という組み合わせが株式投資型クラウドファンディングにおける王道なのではないかと、私は考えています。