ソーシャルレンディング投資記録(新)

【ゆるリタイアからのFIRE達成】クラウドファンディング*ロボットアドバイザー投資家のSALLOWによる、投資記録と投資情報のブログです。

【追記】安土城から始まる、クラウドファンディング四方山話



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今回はクラウドファンディング全体の話題になります。

ある日の京都新聞のニュースに呟いた内容から、色々広がっていった話題。
ツイッターの海に沈めておくのも勿体ないと思いまして、まとめて少し文章を足し、1本の記事にすることにしました。

*記事の最後に、参考になるnoteへのリンクを追加しました(9/26)


<目次>

 
 

始まりは安土城


始まりは、京都新聞の下記の記事でした。


www.kyoto-np.co.jp


織田信長が琵琶湖近くに築き、わずか3年で焼失した安土城の復元を、滋賀県が進めているという内容の記事です。

知事は復元に意欲的なようですが、安土城のような特別史跡で城を再現する場合、史料に基づいた復元を行う必要があるとのこと。
しかし安土城の史料は乏しく、設計図も残っていないということです。


また費用的にも、木造で500億円、コンクリートでも300億円という費用がかかり、これをどこから捻出するかの目処もついていません。

そんな中で県が注目しているのは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)による視覚化、との記事内容でした。
 
 

呟きから広がる話題


この記事に対して私は、どちらかと言えば復元には否定的な意見を呟きました。
理由としては下記の通りです。

安土城跡は、現状のままでも雰囲気の良い城址であり、観光地である。
 
・史料が乏しく想像とオリジナルで建てても、それは城ではなく「城のようなテーマパーク」にしかならない。
 
VRなどで視覚化しても、史料が少ないなら同上。


www.biwako-visitors.jp


ではここにクラウドファンディングを利用できないか? という反応をいただき、そこから話が広がっていきました。

先に言ってしまえば、数百億という規模の金額をクラウドファンディングで調達するのは難しいでしょう。
安土城はあくまでもきっかけ、クラウドファンディングをビジネスモデルに使えないか? というところが、話題の中心です。
 
 

応援型も、本質はビジネス


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これは私見になりますが、CAMPFIREやMakuakeなどで多く募集されている「応援型」クラウドファンディング(以後CF)も、中身はビジネスと変わらないと考えています。

投資型CFの場合なら、投資家は投資のリスクとリターンを考えつつ出資します。


では応援型CFは何で出資行動が決まるかというと、それは

(出資する資金) < (物理的リターン+出資者の満足感)

になった時ではないか、と考えます。
上の式は投資型CFでも本質的には同じですが、投資型CFではより「物理的リターン」が重視される傾向にあります。


一方で物理的リターンではなく、満足感が重視された案件がこちら。
すでに終了していますが、「冷泉家文化財を保存する土蔵を造りたい」というファンドです。


the-kyoto.en-jine.com


リターンの一つは、冷泉家芳名録にお名前記載」という、物理的なものではありません。
しかしその代わり、おそらく日本最後の日まで自分の名前が残るものです。

この内容が魅力的だと判断した人が多く、結果として1,000人以上から1,300万円近くの資金が集まりました。
「出資者の満足感」が物理リターンよりも効果的に働いた、好例の一つではないでしょうか。
 
 

ビジネスとクラウドファンディング


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クラウドファンディングビジネスというと、投資家としてはどうしてもCF事業者を思いついてしまうのですが、ここで言うビジネスは「CFをビジネスに利用する」という意味です。


CFをビジネスにしようとした場合、まず最初に考えなければならないのは、そのビジネスの規模です。

「応援型CF」では、多くの資金が集まる人気のファンドになっても、その資産規模はせいぜい数千万円まで。
先の冷泉家の土蔵や、例えばゲームで一躍人気となった刀剣の打ち直しなどはできても、建築物をまるごとの再建や復元は難しいのが現状です。


融資型や不動産投資型にするならば、1億円超え、もしかすると10億円くらいまでなら、プラットフォームを選べば集まるかもしれません。金銭的リターンの他に、出資者の満足をかき立てるような特別な品物もあるのなら、なおのことです。

しかしその場合、応援型と比べてビジネスの要素が一気に濃くなります。


応援型であれば許容される失敗や手違いも、融資型や不動産投資型では許容されないことが多々あるでしょう。
また、出資者に対して明確な金銭リターンを提示し、かつ実行しなければ、最悪訴訟を提起される恐れもあります。

それに、融資にしろ不動産投資にしろ、最悪の場合には担保もしくは物件を処分して支払いにあてる、という選択肢を残さなければいけません。

先の安土城のように特別史跡で処分できない場合、融資型や不動産投資型のクラウドファンディングを行うことは、他の担保や物件がなければ事実上不可能と思われます。
 
 

まとめ:クラウドファンディングの類型による違い


先の安土城にならって、例えば古城を元に戻す資金を集めるCFを行うとします。

この時CFの類型によって、例えば資金調達理由は以下のように変える必要があるでしょう。

応援型CF → 「古城の再建資金」
 
融資型CF → 「古城を利用したホテル&周辺観光地の開発資金」
 
不動産投資型CF → 「すでに存在するホテルや観光地に対する出資」


融資型と不動産投資型で若干の違いはあるものの、応援型CF以外のCFで資金を集めるなら、「黒字となるビジネスプラン」「最悪の場合の物件処分の選択肢」は必須となります。
それこそ地方自治体の補助金を勝ち取るなど、いかなる手段をとっても、健全な配当を投資家に配る責任が生じます。


また現状のCFの市場規模から考えても、ビジネスの資金をCFで集めるなら多くとも数億円程度。

その規模に収まるビジネスに利用するか、それともCFを他の様々な資金調達手段の一つとして扱うか(この場合でも応援型はともかく、融資型や不動産投資型では黒字ビジネスモデル、金銭的リターン、最後の手段としての物件処分の選択肢が求められます)、ケースバイケースだと思います。


いずれにせよ、CFが世の中に広く認知されれば、その市場規模は拡大しビジネスにも利用しやすくなるでしょう。
クラウドファンディング投資家としては、そういった将来にも期待したいと思います。
 
 

(追記)noteで取り上げていただきました!


当記事の内容は、もともとロケットメイカーズ社長 八田浩さん(@hiroepsilon)と、Twitter上で会話した内容から生まれました。

その八田さんのnoteが公開されています。
題して「お城はビジネスモデルとしてどうなのか?」。


大阪城名古屋城などを取り上げ、お城の再建と観光地化をビジネスとしてとらえた内容になっています。


note.com


はたして大阪城は、名古屋城は、黒字か赤字か?
答えは上記のnoteにて公開されています!
 



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